労災隠しアテナ&アンツC

2009/07/22

佐川急便が中央労働委員会に再審査

 佐川急便福山『休職中』の社員らが加盟する労働組合「スクラムユニオン・ひろしま」が、広島県労働委員会に「佐川急便が団体交渉に応じない『不当労働行為』への救済申立」が県労委で認められ、佐川急便本社に団体交渉に応じるよう命令を出した。

 労働組合スクラムユニオン・ひろしまの主張は、≪元佐川福山の社員がおととし6月、支店長から暴行を受け怪我をし、個人じゃ闘えないからスクラムひろしま労組に加盟し、暴行問題のほか残業代の未払いパワーハラスメント等も含めて団体交渉を佐川本社に申し入れたが、佐川本社が団交に応じず、逆に組合側の何らかの行為に対して謝罪を要求したため、労働組合スクラムひろしま側としては団体交渉を打ち切って、広島県労働委員会に救済の申立てをした≫、というもの。

 労働審判や労働者に対する公的機関の判断は、労働組合や人権団体が絡むと途端に労働者側の主張ばかりを受入れるようになる。

 労働組合活動をしている者の多くは、本業を『休業中』等として失業保険や有給を貰いながら放棄したり、ヤミ専従のような形で本業をサボっている者が多い。そういう人間を果たして「労働者」と認めてよいものか?という点は疑問だが、とにかく労組側の主張が採用された。

 県労委の命令書は、佐川本社に「自らが提示した交渉条件『会社への連絡を文書郵送に限るよう要求』に固執して団交開催を引き延ばさず、速やかに誠意をもって団交に応じなければならない」と指摘。労働組合「スクラムユニオン・ひろしま」側は「主張が認められ全面勝利。すぐに団交要求を出したい」大喜びで労働組合に肩入れするマスコミ記者を集めてパブリシティを打ちまくり。

 結果、佐川急便広報部に対する報道は「現時点ではコメントできない」と言う、会社側の冷酷な姿勢を表すような意図的なものばかりであった。ニュース配信元の共同通信からテレビ新聞各社へのリリースでは、佐川急便広報部からの「実際には団交に応じていた」というコメントがあったはずなのに、それを採用して労使双方の食い違いとする報道ほんの数社だけだった。

パワハラは佐川各社の常態

 佐川急便本社は、この広島県労働委員会の審査を不服として、広島県労働委よりも上の全国組織、中央労働委員会に再審査請求をしたそうだ。裁判で言えば、県の労働委員会は高等裁判所、中央労働委員会は最高裁みたいなもんだから、中央労働委員会で佐川急便の審査請求がボツるともう大敗という事になる。

 現在はあまりに、徒党を組んで団交うんぬんの圧力交渉をする労働組合が幅を利かせている、さらに売国発言の鳩山由紀夫率いる民主党が8月の総選挙で圧勝してしまうと、労働組合活動家だけに非常に有利でマトモに働く労働者がワリを食いシワ寄せを食らう、嫌な社会風潮が公然化しそうで恐ろしいものを感じる。(靖国参拝はしないと公言するわ、在日パチンコ屋や民潭には総選挙後の優遇は約束するわ、で日本のお先真っ暗か?)

 今回は圧力団体・労働組合との戦いで「かわいそう感」の漂う佐川急便だったが、しかし、火のないところに煙は立たないという事で、佐川急便の地方各社ではセールスドライバー・内勤社員に関わらず過酷な労働条件やパワーハラスメント、いじめによる自殺問題などが相次ぎ、残された遺族の方が佐川急便支店の所在する県の、各県労働基準監督署に労災認定を申請いるそうだ。

 パワハラという暴力行為が、警察に告訴できずに労働基準監督署への労災認定という形だけでしか反撃できないのは遺族としてはいたたまれないだろう。その遺族の事実関係を労基に証明するパワハラ実存是非のアンケートでは、パワハラを認めるという署名をした社員が七割近くに上るそうだから、そういう弱い者いじめをする者を現場責任者とした佐川の責任は絶大だろう。

 労災認定まで申請して闘いクローズアップされる遺族はごく一部で、佐川急便関係ではパワハラや労働トラブルなどで自殺する方の情報が絶えず、つい最近でさえ、エグいパワハラを受けた結果自殺した方のうわさが身近で聞かれた。

佐川急便下請業者のクレームは倍以上

 しかし、パワハラや労働法違反の強制労働からくる自殺問題などが話題になるのは、佐川急便本社や佐川グローバルロジスティクスなど社名に佐川の冠がつく子会社だけで、佐川グローバルロジスティクスから偽装請負の形で仕事を貰っている「佐川急便偽装請負幹事システム」加盟の下請派遣会社などで起っている強制労働や労働災害隠蔽の事件は、キリがなく、ほとんどが闇に葬られる。

 以前も報じたが佐川急便グループは運送運輸会社が本業に見えて、その実、人材派遣業・人材仲介業者的な側面が強く、物流という肉体労働が仕事の主力であるから、それに付随する倉庫内径作業などの肉体労働者と倉庫会社、または倉庫を利用する通信販売会社等の労働力・人材を必要とする側と働きたい労働者側との間にうまく介入し、そして胴元になることで自らは人を雇用する必要もなく佐川急便偽装請負幹事システム」というシステムを使って、弱小零細の人材派遣会社、軽作業請負会社を取りまとめて、その中間マージンを上手にすくいあげることに大成功している。

 今年の春にはグッドウィルグループの更に上前をハネるという悪質な行為が告発され、佐川グローバルロジスティクスの浜松営業所が静岡地検に書類送検されたが、全国的に同じピンはねシステム、つまり「佐川急便偽装請負幹事システム」が、いまだ横行している。

佐川急便偽装請負幹事システム

 本紙で糾弾している人材派遣アンツ(代表:長尾康裕/東京都千代田区神田佐久間町2-13-36 藤波ビル3F)も、この「佐川急便偽装請負幹事システム」の加盟下請け会社として、色々な倉庫内作業や工場出荷手伝い、ダイレクトメールの仕分け作業などの仕事の下請をし、その一環で株式会社アテナ(本社:東京都江戸川区臨海町5−2−2)とダイレクトメールの仕分けや倉庫内荷物運搬等の軽作業請負という形で取引していた。

 昨年の9月にアテナ社のアテナ新東京物流センター(千葉県船橋市西浦3−6−1)の「ホロニック部署」という、商品梱包作業を行う部署で、ある労働者が「他人を庇って」被災し怪我をした。この労災被害者はアンツから二重派遣(正確には三重派遣)、偽装請負によって派遣されアテナ社の社員の指揮の下で労働していた。

 しかし、アテナの社員はこの労災被害者が被災し流血したのを見ると(ビビったのか)どこかへいってしまい、結果、被害者は自分で自分を応急処置した。

 その責任を、派遣元会社であるDM屋のアテナも偽装請負していた派遣会社のアンツも、もう一年近くなろうとしているのに今だに解決をしようとしないでいる。であるから当紙はこの偽装請負と労災隠し、そして脅迫事件を糾弾し続けている。

 アンツは「佐川急便偽装請負幹事システム」の加盟派遣業者各社と持ち回りで、佐川急便の仕事を下請しているが、この船橋のアテナ新東京物流センターの事故現場やアテナ物流センターの各所には、アンツとは別の「佐川急便偽装請負幹事システム」の加盟派遣会社が数多く入り込んで、お互いのシマを守りながら派遣元のアテナ社の顔色を伺いつつ人材・労働力を供給している。

 恐らく、本紙がアテナ新東京物流センターの労災事故問題を追及し続けていることで、アンツやアテナだけではなく、このアテナ新東京物流センターの中に労働者を違法派遣している「佐川急便偽装請負幹事システム」の加盟派遣業者各社も、自分達の悪事も公表されるかも?早くアンツ事件終ってくれよ!と戦々恐々としていることだろう。

 このアンツ・アテナの両者に、

「怪我した時逃げてゴメン」「労災を隠すために深夜に自宅を数人で襲撃して『労基に言うんじゃねーぞ』等と脅迫してゴメン」という一言の謝罪を求めて、今だ戦っている元アンツの偽装請負労働者の方から、先日、労働基準監督署がらみで報告が入ったのだが、それについての詳細は後ほど。

 佐川急便偽装請負幹事システムによるしがらみなどで、人材派遣アンツがDM屋のアテナから物流センター内軽作業を業務請負して、偽装請負によって労働者派遣をしているから、今だにこの偽装請負と労災隠し、そして脅迫事件は責任の所在があいまいであるのだが、それと佐川急便本社との関係は今のところみられない。

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人材派遣アンツの偽装請負二重派遣シリーズ