擬装請負会社と悪質労働者の間で損するマジメな派遣労働者

2009/03/05

 人材派遣アンツの擬装請負システムの産みの親とも言われている(本紙が言ってるわけですが)佐川急便系企業・佐川グローバルロジスティクス。この佐川グローバルロジスティクスの浜松営業所が、浜松労働基準監督署から労働基準法違反の遺法派遣の疑いで静岡地検浜松支部に書類送検された。

 これは、佐川グローバルが「擬装請負幹事システム(本紙的ニックネーム)」であったグッドウィルなどの派遣会社からの派遣労働者を、浜松と磐田の通信販売会社に二重派遣し、労基が検証した2ヶ月間のスポットだけで200万円程の中間マージンを遺法所得していたというもの。

 アンツなど、末端の下請業務請負会社の場合は、二重派遣と言ってもリスクを背負わされていて仕方なしに違法行為に手を染めざるを得ない事が多いが、佐川グローバルの場合は、擬装請負の胴元中の胴元であり、佐川に入る金は、明らかな眠ってても財布に落ちる「眠り口銭」って奴で、戦後の労働者派遣禁止であった時代に、一番あっちゃならないと法律が規定していた「ピンハネ稼業」である。

 今回、マスコミの扱いは小さいが佐川急便はこれを以前から繰り返しやっていた。労働基準法では、ピンハネ稼業で労働者の給料が不当搾取されるのを防ぐため、労働者派遣法で認められた場合を除き、中間搾取を禁止しているが、佐川グローバルは公然とこれを続けている。

 遺法派遣での通販会社、またはダイレクトメール代行業者への請負契約での食い込みは1円単位で熾烈を極め、不況もあいまって二重派遣の胴元たる佐川グローバルロジスティクスから、末端の擬装請負屋としてのアンツ・アクアまで中間搾取者の財務状況を締め付けている。しかし、彼らはそれを労働者に転嫁すればすむ。

 また、派遣労働者の擬装請負現場では、あの正月の派遣村報道以来、「なんだ?擬装請負で働かなくても失業保険や生活保護で楽して生活できるのかよ!」という悪しき怠け者根性が蔓延している為、労働組合やユニオンに興味を感じる怠け者左翼予備軍のカス労働者が、仕事をサボってサボってしょうがないらしい。

 派遣村やフリーターユニオンみたいに権利を主張すれば通用するんじゃないか?と勘違いし、軽作業請負の現場で、時給は貰いつつ仕事拒んだりサボりに出かけたり―これ、いつ辞めさせられても「失業保険があり、上手いことやれば『不当解雇』で労組を使って企業から金を取れるかも?」なんていう、半端なチンピラ根性から来ているらしいが。
(請負現場によっては左翼ユニオンが会社側に要求したテレビ付きの休憩室があるらしく、出勤してから退社まで、その休憩室で左翼ユニオンと一緒にずっとテレビを見ている派遣労働者もいるらしい)

 雇用主からの給料は下げられて、仕事現場の同僚がこんな左翼がかった悪質な怠け者ばかりでは、今、派遣労働でもいいから何とか自分で働いて生活し不況を乗り越えようとマジメに考えている労働者が損をする。だからといって徒党を組んで不当な要求をするユニオンや労働組合は大嫌いだと考えるマジメな人達が実はほとんどだ。そういう人達が損をしないよう、行政は遺法派遣に対する柔軟で実行力のある対処法を整備し、ユニオン・労働組合のつけいる隙をなくすよう努力すべきだ。

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人材派遣アンツの偽装請負二重派遣シリーズ