人材派遣アンツの労災事故から1年 労働局処分

2009/10/04

 戸田市近辺のパートおばちゃん達のスーパーストアパート評価ランキング(ただし当紙の周辺居住者のみ)では、時給の安さワースト1、時間内の激務強要(残業許さん)率ワースト1、といえばイオングループのマックスバリューのパートだそうだ。

 全国的なおばちゃんパート先ランキングは知らないが、本紙に情報提供のあったイオングループの物流倉庫内での偽装請負で働かされている派遣労働者達(イオングループの物流倉庫は擬装請負業者間のプチ格差社会参照)の時給も、2重3重に派遣会社が絡んで時給800円以下なんて事がザラだそうだから全国的なおばちゃんパートの時給も安いだろう。

 そのように人材を徹底的な激安労働価格で使用して巨額の利益をあげるイオングループの御曹司の民主党岡田克也も新内閣であるから、民主党が「見直し」を掲げ、社民党が「全面禁止」を掲げる人材派遣業禁止についての法整備がどうなるか定かではない。

 しかし、人材派遣業務全般の禁止となると民主党のスポンサーである人材派遣ビジネスの連中に背く事となる。総選挙後には民主党選挙事務所にスポンサーの派遣会社から選挙スタッフを派遣していたのが発覚ていた。

 また企業と人材派遣会社労働者の間に入って利益をあげる人材派遣会社のための労働組合であるUIゼンセン同盟の支援がなければ、ひだか剛・長島昭久、まつばら仁氏など主要な民主党員の衆議院戦勝利は怪しかったんじゃないかと言われる。

 これほど民主党の各議員は人材派遣会社との関係が深いのに、「人材派遣業を規制する法案」をスポンサーに突きつけて、「これからアンタの業界をより厳しく監視する心算だが私や民主党を応援して欲しい」等と言える政治家など、民主党ならずとも存在しないだろう。

 もっともパソナやアデコや人材派遣会社といわれる業界の「最大手〜準大手」は、ほとんど自民党とのつきあいが深いから、「大手」の力を削ぐような法案づくりであれば民主スポンサーの意に適う事だろう。もっともそうなると、他の連立政党をどう誤魔化すかが大変であるが。

人材派遣アンツの偽装請負二重派遣

 しかしまぁ政治の世界では、政権交代と共に人材派遣業界や貧困層の救済?等になんだか光明の兆しが見えてきたように、マスコミでは報じられている。

 ところで本紙追及の人材派遣トラブル追及シリーズ「人材派遣アンツの偽装請負二重派遣」は、かれこれ先週の9月28日で1年が過ぎた。

 1年前、株式会社アテナ(本社:東京都江戸川区臨海町5−2−2)という、ダイレクトメール(DM)発送代行や顧客管理事務(顧客情報入力・管理)の大手企業が千葉県船橋に所有している巨大物流センター、新東京物流センター(千葉県船橋市西浦3丁目6番地1号)で労災事故が起った。

 「株式会社アンツ(http://www.antz-grp.co.jp/代表:長尾康裕/東京都千代田区神田佐久間町2-13-36 藤波ビル3F)」の人材派遣業のやり方が、アンツ自身は法律の盲点を突いたうまい手口だと考えていたのだろうが・・・・・・そもそも見当外れだった。

 つまりアンツ長尾としては偽装請負や二重派遣という実態を隠すために、仲間の密山にアンツネクストという会社をやらせ、アンツネクストで労働者を雇用する形態をとっていた。そして雇用形態自体が、労災保険や社会保険に加入するのが面倒だったからなのか、労働者を一人ひとり自営業者として扱いアンツが請け負った業務をアンツネクストに請け負わせ、アンツネクストがその業務を労働者を個人事業主と見なして請け負わせる・・・・・・という「言い分」だった。

 こんな妙な雇用形態で、「いやうちは労働者を雇用していない、働いているのはすべて個人事業主です」と言ってまかりとおると思っていたアンツ長尾もおめでたい人間だが、今となっては長尾も後悔し、こんなメチャクチャな手口が通用すると長尾に吹き込んだ嘘つき野郎を絞め殺したい気持ちでいっぱいだろう。

 そんな株式会社アンツに1年たってようやく厚生労働省の処分がくだってくれるそうだ。厚生労働省の方々におかれては、この一年間、働く気のない派遣村ホームレス関連の連中のゴネに振り回されて大忙しだったはずであり、個々の管轄エリアの個人の労働者のトラブルには中々手が回らなかったと思うが、それでも忙しい中を忘れずにこつこつとよく頑張ってくれたものだと思う。

 アンツ長尾も、本当は事件後すぐに被害者に直接連絡して「大丈夫だったか?」のねぎらいの言葉をかければ1円も使わずに解決でき、そして労働局に違法が発覚する事もなかったのに。

 被災労働者とアンツ側の弁護士との会話を何度聞いてみても、被災労働者は単刀直入に「長尾がひと言謝罪すればいい」と言っているのに、それでは自分の業務が終ってしまうと思ったのか、酢のコンニャクのと屁理屈を並べ、長尾からの直接の謝罪を「遮断」している。

 アンツの長尾の仲間達がどう思っているのか知らないが、長尾の事を本当に考えてくれている人間がいたら「ひと言お詫びして憎まれ口の100や200聞いたっていいんじゃないか?」と言うことを忠告するヤツが、この1年間の間にいた筈だ。

 人材派遣なんていうトラブルの多い業界にいたら、「交通事故でも暴力沙汰でも弁護士を入れて被害者と一切接触をしないのが最良」なんていうのは、損保会社や一部の弁護士が仕事確保の為に流している風評であることを知っているはずだ。

 仕事が出来て忙しい弁護士は、すごくシンプルな言い争いに割って入って被害者と加害者との間を行ったり来たりして稼ぐ小銭の小ささを知っているから、自分のクライアントに「感情論」の入ったトラブル(でクライアントが加害者なら)があったら、サッサと直接引き合わせて話が終われるものなら終らせている。

 アンツ長尾が何故あそこまで被害者へのひと言の謝罪を拒むのか、不思議でならない。しかしもう1年という時間がたち、労働局は処分に動いている。バカなやつはここでも弁護士などを使って四の五の言い逃れをし、隠蔽工作を図るはずだが、アンツ長尾に少しでも賢明な所があるのなら、労働局の調査には全てウソをつかずに認めて違法を改め、重ねて被害者にも「ひと言」の謝罪しちゃった方がいいんじゃないの?弁護士は嫌がるだろうけどさ。

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人材派遣アンツの偽装請負二重派遣シリーズ