イオングループの物流倉庫は擬装請負業者間のプチ格差社会

2009/02/12

民主党はなぜ、頼りないのか

 自民党政務調査会首席専門員の田村重信氏が執筆した「民主党はなぜ、頼りないのか(成甲書房刊)」という書籍がある。
 岡田克也・民主党副代表が「民主党はなぜ、頼りないのか」で名誉毀損されたと田村氏に損害賠償を訴えていたが、先日東京高裁の判決で田村氏に110万円の損害賠償判決が下った。

 田村氏は「民主党はなぜ、頼りないのか」で、民主党岡田克也が旧通商産業省の官僚時代に、父親・岡田卓也のイオングループの全国展開に便宜を図った疑惑があると指摘していた。
 高裁判決は「一部は事実とは認めがたい」と言うもの。損害賠償で被告が勝つのは難しいから、田村氏は高裁判決の「一部は事実とは認めがたい」という物言いは裏を返せば殆ど事実って事で事実上の勝訴だと自分を慰めて、110万円は民主岡田への書籍内出演料と諦めて払っとくしかないだろう。

 ところで本紙糾弾中の倉庫内軽作業や物流関係の擬装請負を行っている人材派遣会社(アンツグループ〔※アンツグループ=アンツ・ウエストサイド・クリアス・アクアなど〕やJASDAQ上場のSBSスタッフ、ヘラクレス上場のエスプールなど)は様々なクライアントを持っている。

民主岡田の実家イオンの倉庫は派遣労働者で一杯

 イオングループの物流倉庫への軽作業請負業務などにも、SBSやエスプールなどの大手から零細請負業者まで、かなりの人材派遣会社が入っている。イオンに直接雇用されているアルバイトの子達も時給800円以下のバイト料で働いているのだが、これが派遣会社を挟んで雇われるともう実質時給600円近い破格の低賃金労働となってしまう。

 派遣会社にとってイオングループは、とりっぱぐれのない優良企業でありながら、業務請負料金に関して徹底的に叩かれ低賃金請負契約を強いられるエグい企業だそうだ。

 イオングループの物流倉庫には複数の擬装請負派遣会社が入り乱れ、
イオングループの社員≧イオン直接雇用のアルバイター≧エスプールなど大手派遣会社からの派遣バイト≧エスプールから下請仕事を貰ってる零細派遣会社からの派遣バイト、という流れのカースト制度的上下関係があるそう。

イオン倉庫内の格差社会

 時給や待遇について差があるのは分るが、イオンの倉庫で3K仕事をしている同じ労働者同士で「イオン直雇用の10代のプータロウに指図をされ、歯を食いしばりながら働く30代の家族持ち派遣社員」なんていう低レベルな格差社会・勝ち組負け組み抗争があるらしい。

 民主党も格差社会や派遣切り問題の責任を与党自民党になすりつける事で総選挙を有利に運べると単純に考えているようだが、劣悪な擬装請負のモデルケースとして自党の副代表の父親(イオン岡田)がやっている商売の現場がクローズアップされたらなんていい訳をするのであろうか?

 民主党は今、日雇い労働者ばかり集めた派遣村報道で善玉政党としてイメージアップを図れ、全国の労働組合の組織票を一手に握っていると安心しきっているのかも知れない。

 しかし党副代表の実家の商売で(正社員〜二重派遣スタッフ間の)倉庫内プチ格差社会が生まれ、末端の二次下請系請負労働者の怒りの矛先がいつ自分とこに向う事になるかも知れないという認識くらいは持っておいたほうがいい。イオンの物流センターで低賃金に怒りを覚えながら燻っているトラブルの火種は1000人以上はいるのだろうし。

敬天新聞ホームページ

敬天ブログ

人材派遣アンツの偽装請負二重派遣シリーズ