日本の消費者金融市場を見限ったサラ金が韓国上陸-韓国の銀行買収を進めるオリックスが貸金事業に進出―2

2011/02/25

 昨年6月に完全施行となった改正貸金業法。個人の借入総額が制限される総量規制によって、定職を持たない専業主婦らは借入先を失い、又、市中の貸金事業者らは顧客を失ったうえに、上限金利の引き下げによって事業存続さえも侭ならなくなった。更には、会社更生手続き中にある武富士を代表に、過払い金の返還請求によって、旺盛を誇った大手貸金事業者までもが息の根を止められた。

 斯様に、消費者金融市場が荒廃した我が国であるが、お隣の韓国では状況は全く異なる。法改正にて上限金利が20%に引き下げられた日本であるが、韓国の法定上限金利は44%(数年前まで60%以上)という、貸金事業者にとっては夢のような経営環境にある。既に、いち早く日本に見切りをつけた在日系の貸金業者は、祖国回帰を果たし大きな利益を得ている。

 その中で注目されるのが、韓国内にて貸出残高2位に位置する「サンワマネー」である。サンワマネーは、日本一性質の悪いサラ金として名高い「三和ファイナンス」の現地子会社であるが、その三和ファイナンスは事実上破綻したにも等しく、今後、身軽になったサンワマネーは、悪徳サラ金のDNAをそのままに、更に大暴れする予感がする。現に、韓国内での評判は頗る悪いらしい。

 昭和の時代、サラ金地獄といわれ多数の自殺者を出した社会問題が、数十年の時を経て同じ地脈を引き継ぐ輩共によって、韓国にて再現されようとしている。どこの国でも、意地汚い金貸しは嫌われる存在のようだが、資金力を有する企業ならば、その収益力を無視することは出来ないのも確かだ。そこで、オリックスグループが目を付けたのが、顧客からの苦情や非難を浴びることなく、且つ安全に収益を得られる立場であった。

 それが、貸金業者の金主となることだ。オリックスグループは昨年9月、韓国の中堅貯蓄銀行である「PUREUN(プルン)2相互貯蓄銀行」の買収を決定した。主に中堅・中小企業を対象に事業資金の融資を行なっているプルン2相互貯蓄銀行は、優れた財務の健全性を有する優良銀行だ。そこに約85億円を出資し、オリックスグループの支配下(発行済み株式の85%所得)としたのである。

 そもそも、オリックスグループと朝鮮半島の絆は深いものがある。日本国内の韓国系パチンコ経営者にとっては、オリックスグループは最も頼りになる金主として、強く結びついてきた長い歴史がある。賭博屋や金貸しを相手の銭儲けが、オリックスグループの十八番なのだ。

敬天新聞社/吉永 健一

敬天ブログ敬天新聞トップページ敬天千里眼