大田区の談合集団「城南建物管理協同組合」の裏相互扶助 .1

(2012/02/21)

 本紙がビルメンテナンス業界に蔓延していた談合を追及していたのは10年も前になる。その当時、指名競争入札は形だけのものであって、何年も業者の入れ替えもなく、さも既得権益のように請負業者が決まっていた。

 毎年毎年、同じ顔触れの指名(選定)業者で入札を行い、高止まりした金額で例年通りの業者が落札する。当然、落札者は他の入札参加者に協力金を出したり、一部若しくは全部の業務を丸投げするなど、税金からなる委託料を皆で分かち合っていた。

 尤も、ビルメン業者に好き勝手させていた委託業務発注者である官公庁や自治体の怠慢が、根本的な原因であったことは言うまでもない。現場説明や仕様書の手渡しといった、どうぞ皆さんで話し合って下さいと言わんばかりに、発注者は談合の機会を業者に与え続けていた。

 その最たるものが、業者を入れ替えない指名制度だったのである。しかし、時代は変わり現在の入札制度は基本、指名競争は廃止され一般競争入札へと移行した。加え、入札業者の事前接触を困難とする電子入札が導入された事で、業者間談合は廃れていくこととなった。

 その反面、発注者サイドと贈賄業者が結託した官製談合が密かに増加しているともされる。業種の違いはあるが、現在追及中の練馬区に於ける建設談合疑惑も、発注者である役所サイドの協力(パイプ役としての公明党都議)があってこその談合だといえる。

 さて、大局的な見地からすれば、ビルメン業界の談合が減少したことは確かだが、完全に消滅した訳ではない。なかには、しぶとく談合に縋っているビルメン業者も存在し、その所在地の委託業務を支配している例さえもある。

 そもそも、ビルメン業界の縄張り意識は暴力団組織と相通ずるものがある。「人の庭先を荒らすな。米びつに手を突っ込むな」、といった具合だ。入札制度が改革され、一般競争入札によって業者参入の門戸が開かれたとはいえ、既得業務を犯さないといった暗黙の了解のもと互いに牽制・融通しあえば結局元の木阿弥である。

 逆に、入札の現行システム上、談合は排除されたといった建前のなか、疑われにくいのを幸いに旧態依然とした談合が罷り通っているとしたら、笑えない話である。斯様な隠れ談合が横行しているとされるのが大田区だという。

 其処に寄生するのが、20社余りで徒党を組む「城南建物管理協同組合」(大田区大森北1-29-15大森佐藤ビル4階)だといわれる。城南建物管理協同組合は、約1800団体が会員となっている「東京都中小企業団体中央会」に属す組合組織である。本紙は、この城南建物管理協同組合が、単なる談合組織であるとの情報を得た。

敬天新聞社
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吉永 健一

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