ニチロ(現マルハニチロHD)架空豚肉詐欺事件の背景『裏ポーク商人』飯島健二(飯島商店=茨城)の錬金術(5)

2011/04/06

 ローソン子会社「LEM(ローソンエンターメディア)」に約345億円の損害を与え、特別背任罪に問われていた同社元専務の山岡武司被告に、東京地裁は3月25日、懲役8年の判決を下した。又、345億円を受け入れ、その多くを輸入豚肉事業に流用した企画会社元社長の岩本陽二は、懲役4年6月の一審判決となった。

 岩本陽二の元部下の話しによれば、即日控訴を予定していたが弁護士の不手際で一審判決が確定したとの情報もあったが、どうやら控訴手続きを再開し、もう暫くはシャバに留まれる様である。とは言え、相当の事由でもない限り刑事訴訟では被告人の新たな証拠申請は却下され、一方で検察側の証拠申請は採用されるのが実態であり、一審判決が覆ることもなければ、刑期が軽減される可能性も少ない。

 しかし、345億円流用で懲役8年、共謀者が4年6月とは随分と軽い判決に思える。流用した金額のうち半分は自転車操業で戻したとも言われるが、それでも過去に類をみない特別背任である。どうせ数億円単位で流用資金の一部を隠し持っているのであろう。腹を据え覚悟を決めさえすれば、この程度の懲役なら堪えられるだろう。正にやった者勝ちだ。

 いっそのこと騙し取った金額を全納するまで、労役場に留置し封筒張りでもさせればいい。これなら両名の様な経済犯は一生塀の中となる。当然、罪を意識することなく簡単に人様の財産を掠め取ろうとする悪党も激減するであろう。さて、ローソン事件も世間的にはこれで決着したことになる。しかし、流用された金の行方が解明されたとはいえない。

 特に、岩本陽二が輸入豚肉事業に投じた大金は、その大半が行方不明である。単純な投資失敗でなかったことは、逮捕前に岩本陽二から相談を受けていた当紙が一番知っている。ローソン事件では被告の立場であるが、巨額な投資金を失った輸入豚肉事業では被害者でもあったことは間違いない。

 当紙が把握している幾つかの流用資金の行き先の一つが、裏ポーク商人の飯島健二(飯島商店=土浦市真鍋)であるが、彼もまた被害者であったこともある。この他にも多くの人間が様々な立場から複雑に絡み合っているのが、ローソン事件なのである。

 そして、同事件の発端ともいえるのが『ニチロ(現マルハニチロHD)架空豚肉詐欺事件』なのだ。さて、既に収拾がつかない状況の中、新たな関与者が判明した。先頃、結婚を発表した女優・南野陽子の旦那、金田充史氏である。彼は被害者なのか?それとも・・・

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