任天堂DSソフト「右脳を鍛える」シリーズで知られる新日本速読研究会会長・川村明宏博士!?の脳トレ商法(1)

(2011/02/17)

 2月5日ハーバード大学の二人の科学者が著した「錯覚の科学」という本が出版された。

 その中で「脳を鍛える大人の計算ドリル」と「脳を鍛える大人の音読ドリル」シリーズを出版し一躍有名となり、タッチペンを使って楽しく脳の活性化や脳年齢の測定ができる任天堂ゲーム機DS用ソフト「脳を鍛える大人のDSトレーニングというゲームでは爆発的ヒットとなって「脳トレ」ブームを巻き起こした川島隆太氏の「脳トレゲーム」を、科学的根拠に基づき「効果なし」と否定した記述が話題となっている。

 川島隆太氏は、放射線医学の研究者で北里大学教授の父を持ち、東北大学大学院医学研究科を修了している医学博士である。専門分野はヒトの脳活動の仕組みの解明、研究と応用。認知症患者の脳機能の回復、高齢者の認知症の予防または脳機能の改善、幼少児の脳機能の発達促進を目的に研究に取り組んでいる。

 その研究を基にした学習方法は日本珠算連盟や公文教育研究会といったところでも取り入れられている。それ故にハーバード大学の科学者や世界で最も権威があるという学術雑誌「ネイチャー」で物議の対象とされるのだろう。

 しかし、ゲーム機による「脳トレ」の効果の是非については、出演したテレビ番組で「脳トレで頭が良くなるとは限らない」と発言したり、ネイチャーに掲載された「コンピューターを利用した脳トレについて、思考力や記憶などの認知機能を高める効果は期待できない」との論文に関して「ネイチャーの論文の結果は当然のこと」と見解を示したというから、川島隆太氏もゲーム機についてはあくまでも娯楽という位置付けということか。

 自分の子供には週末1時間しかゲームをさせないというエピソードもある。ゲーム会社や出版社などのロイヤリティ24億円を「大金が入って遊びに行く暇があるなら、研究に費やしたい」と受け取りを辞退し全額を大学の研究室建設費用に充てたというから、単なる銭儲けに溺れている輩ではないようだ。

 問題なのは、このようなブームに肖り疑似科学による悪徳商法を画策し銭儲けをする輩の出現である。

 任天堂DSでは「脳トレ」ブームで、七田式で知られる七田眞(故人)や新日本速読研究会の川村明宏といった独自の「脳トレ」を商材としているグループが次々と「脳トレ」に因んだゲームを発売した。

 七田式は「脳トレ」を商材にする業界では老舗であり、ブーム以前から七田式教育法は知られており効果の程は定かではないが東京理科大学理学部数学科卒の七田厚社長が中心となり通信教育やスクールを全国展開している。

 経歴不詳な上、インターネットに異常な程アフリィエイト広告を垂れ流しているのが新日本速読研究会・会長の川村明宏博士だ。

 脳トレに因んだその商材は頭を良くする速脳術・速読術・視力回復・記憶術・認知症予防と多種多様であり、その触れ込みは「左脳を2倍、右脳を20倍にします」「アメリカの研究で証明されています」「視力がどんどん回復していきます」「効果はレーシックなどのレーザー手術と同程度」「一日に覚えられる量を数十倍にし540ページの本を20分で読めるようになる」という具合に誇大広告の臭いがプンプンする。

 自らのプロフィールを「教育学博士」「名誉情報工学博士」と公表しながら、何処で博士課程を修了したのかを伏せている川村明宏博士とはいったい何者であろうか?この男、徹底的に調査する必要がありそうだ。つづく

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