ニチロ(現マルハニチロHD)架空豚肉詐欺事件の背景『裏ポーク商人』飯島健二(飯島商店=茨城)の錬金術(4)

2010/11/02

 輸入食肉のうち、差額関税制度が適用されているのは豚肉だけである。同制度は、安い外国産豚肉が日本市場に出回ると、国内産の豚肉価格が値崩れするとの危機感から、基準輸入価格に満たない部分に、同額までの関税を課す制度である。制定されたのは昭和46年であり、国家間での自由経済が主流となった今、時代錯誤も甚だしい古臭い制度であるといえる。所管する農林水産省は「重要な制度」といって、廃止或いは見直しといった考えには消極的な立場である。

 しかし、豚肉輸入業者の中では価格を虚偽申告し関税を免れる(脱税)事例が横行し、その脱税額は時には数十億といった巨額なものとなっている。これら脱税が多発する背景には、悪徳業者が巧妙という訳ではなく、制度そのものに欠陥があることが主な原因だ。いとも容易く脱税される農林水産省は、脱税防止の対策として重加算税を導入するなどした罰則を強化しているというが、結局は豚肉輸入業者や通関業者等に、法令遵守の自覚を促すのが関の山である。

 見解相違が罷り通る一般的な脱税より、確信犯的な関税逃れなどは、一発で刑務所に打ち込む位の厳罰にしなければ、脱税防止などは出来ないであろう。しかし何故、悪徳業者に「どうぞ脱税してください」と言わんばかりの差額関税制度を、農林水産省は頑なに死守しているのか。手持ちの税収入手段を手放したくないのもあるだろうが、よく言われているのが国内で豚肉の生産・加工・卸しに多く携っているとされる、同和地区出身者への配慮からだという。

 事ある毎に人権・差別を盾に行政に捻じ込む彼等(似非同和含む)を、刺激したくないといった理由らしいが、厄介な揉め事を極力回避したがる役人根性の表れとしかいえない。真っ当な生産者や輸入業者、更には消費者さえも置き去りにし、役人が既得権益にしがみ付き、事勿れ主義の職務怠慢によって、不正を働く業者が誰よりも差額関税制度の恩恵に授かっているのだ。豚肉業界の話では、国内市場に出回る外国産の内、かなりの割合で関税逃れの豚肉が流通しているのは常識だという。

 当然、これら「裏ポーク」と称される豚肉は悪徳業者の手を渡りながら、その過程にて新たな犯罪も派生する。表題にある飯島商店(茨城県土浦市真鍋4-33-2)の飯島健二代表などは、まさに裏ポーク界の犯罪を知り尽くした有名人なのである。

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