マルチ資金に飛びついたテークスグループが崩壊状態企業を私物化し、マネーゲームに明け暮れる山本勝三(1)

(2010/10/15)

 インターネット上の仮想空間での優先的な土地取引や、携帯電話の代理店勧誘といった嘘八百の儲け話で、約2万6千人から100億円余を掠め取ったのが、本紙でお馴染みの悪徳マルチ「ビズインターナショナル」と、その親玉である「フレパー・ネットワークス」である。本紙が糾弾を開始した以降、宮城県が消費者への注意喚起として社名公表し、その後に業務停止命令を行なった。

 それに続き消費者庁が業務停止命令を発令すれば、今度は90億円の所得隠しが発覚するなど、徐々に化けの皮が剥がされていった。更に、全国各地で会員被害者による返金を求めた訴訟提起が始まると、本年5月には特定商取引法違反の容疑で、関係先の全てが家宅捜査された。残すは宮之内誠人代表以下、関係当事者逮捕で近々にも決着がつくであろうと、ここ最近は静観していた次第だ。

 その間にも、契約違反だ不法行為だ提訴だと、ビズインターナショナルとフレパー・ネットワークスは互いに罪を擦り付けてはいたが、これが猿芝居であったことは明らかだ。特にフレパー・ネットワークスの立場としては、悪徳マルチで得た資金力を背景に、天下のNTTドコモにさえ擦り寄り(結果、フラレル)、更には東証2部上場企業「テークスグループ」の増資引き受け(結果、解消の上に訴訟を提起され敗訴)など、裏ビジネスから表舞台への鞍替えを模索していたことから、悪徳マルチの首謀者として、その正体を晒すわけにはいかなかったのである。

 責任の所在を有耶無耶にし、会員を煙に巻こうとした予定調和の内輪もめを演じていたに過ぎないのである。実際、両社が訴訟で争ったところで、何一つメリットがないことからも、猿芝居であったことは確かといえる。しかし、最後の悪足掻きも通用しなくなったようである。8月になると、フレパー・ネットワークスのウェブサイトが突然閉鎖され、会員への唯一の言い訳となる、出来損ないの仮想空間サービス「ファントム」へのアクセスも不通になった。

 さては夜逃げの準備に入ったなと思われるが、既に当局の監視下にある筈だから、宮之内誠人に逃げ場はない。今頃は悪徳マルチで稼ぎ出した金を、せっせと隠していることだろう。一方のビズインターナショナルは、返金訴訟の被告の立場から姿を眩ます訳にもいかず、事実上の破綻状態のまま存在するだけの、正に仮想・ファントム(亡霊)会社となっている。さて、巨額の悪徳マルチ資金に飛びついたテークスグループだが、今も勝手に迷走を続けている。

敬天ブログ敬天新聞トップページ敬天千里眼