ニチロ(現マルハニチロHD)架空豚肉詐欺事件の背景『裏ポーク商人』飯島健二(飯島商店=茨城)の錬金術(2)

2010/09/02

 大手水産加工会社「ニチロ」(現マルハニチロHD)の冷蔵庫所長であった堺敏美が、他2名の共犯者と詐欺容疑で逮捕されたのが平成20年3月12日であった。被害総額5億円以上とされた内、約9000万円(豚肉230トン分)を騙し取られたのが、食肉販売会社の株ム島商店(茨城県土浦市=飯島健二社長)だ。

 そして、逮捕者3名のなかから唯一、懲役をくらい現在も服役中であるのが、我が敬天新聞社とは因縁浅からぬ人物である滝義洋である。有名企業ニチロを舞台とした巨額詐欺事件ということで、世間的にも半端な捜査は出来ない。捜査にあたった警視庁捜査二課は全てを洗い出し、滝義洋を刑務所にぶち込み事件は終結したものと、当方は考えていた。

 しかし、それから2年後、ある人物が当方に持ち込んだ、額面にして30億円の金銭借用証書から、同詐欺事件と平行して行なわれていた、滝義洋と周辺者等による新たな犯罪事実を知ることになる。つまりは、ニチロ架空豚肉詐欺事件の首謀者である滝義洋には、表沙汰になっていない詐欺行為が存在し、逮捕者を出したニチロも又、同詐欺事件で判明した以外の不明瞭取引を、いま以って隠しているということだ。

 加えて、同詐欺事件では被害者であった飯島健二社長が、食肉業界では『裏ポーク商人』として有名な人物であったことが判明した。さて、金銭借用証書を当方に持ち込んだ人物とは、その数ヵ月後(平成22年6月)に別の経済犯罪で東京地検特捜部に逮捕される事になる、岩本陽二(潟vレジール=代表)である。

 岩本陽二の逮捕理由は、コンビニ大手「ローソン」の子会社であるチケット販売会社「LEM」と共謀し、チケット代金を不正流用したものだ。岩本陽二の役割は、LEMとコンサート企画会社の取引の中間に割り込む事であった。それまでの二社間契約からプレジールを含めた三社間契約にすることで、中間に位置するプレジールには、常に十数億円の資金が2〜6ヶ月間、滞留することになる。

 実際、三社間契約を結んだ平成19年度のプレジールの取引額は32億円であったが、逮捕前となる平成21年度の取引額は約160億円にも膨れていた。岩本陽二は、同じく逮捕されたLEM元専務の山岡武司と、この巨額な滞留資金を投資に流用し、報酬を山分けしようと画策していたのである。

 そして、滞留資金の行き先こそが輸入豚肉販売への投資であった。その事実を示すのが、滝義洋が先の金銭借用証書の連帯保証人となっていることに他ならない。

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