ニチロ(現マルハニチロHD)架空豚肉詐欺事件の背景『裏ポーク商人』飯島健二(飯島商店=茨城)の錬金術(1)

2010/07/30

 過去、本紙にて追及したニチロ(現マルハニチロHD)架空豚肉詐欺事件ニチロ冷蔵団地の冷蔵庫所長=堺敏美が、畜産物輸出入を生業とする会社社長=滝義洋と共謀し、冷蔵倉庫内に豚肉が保管されているように装い、その売上代金を茨城県土浦市の食肉販売会社から騙し取ったという、明確な詐欺事件であった。

 豚肉に限らず、倉庫保管される冷凍食肉や水産物を取引する際は、商品を移動することなくペーパーのみの名義変更による取引が慣例化していることから、この手の詐欺が発生する危険性はあった。当然だが、有りもしない豚肉を購入した被害者が、商品を実際に確認した時点で犯罪が発覚する。

 単純明快な詐欺故に、一発勝負の絵図といえ、通常の悪党ならば発覚以前に行方を眩ますものだが、同事件で逮捕された容疑者等には、時間的猶予さえあれば代替豚肉を用意することが可能だったらしく、当該事件が発覚しなかった局面もあったとされている。

 とはいえ、手元にない豚肉を一度は有ると装ってしまうと、穴埋めを何度となく繰り返したところで、何処からか豚肉を盗んでもこない限り、最後には誰かがババを引くことになる。因みに、代金を後回しにし豚肉だけ受取り、それを転売したうえで支払いは無視するといった盗人業者は、確実に存在する。

 実際、盗人同然の取り込み被害にあったとする業者を、複数確認している。今にして思えば、当該事件の決着を、この手で解決しようとの思惑が滝義洋にはあったようだ。又一つには、事件性を勘繰られる訳あり豚肉を買い叩く、『裏ポーク商人』が豚肉業界には巣くっているというが、それは後に記すことにする。

 兎に角、当該事件が初期の詐欺であったのか、或いは幾度と繰り返された末の結果であったのか、真相は現在収監中の滝義洋に問う他ない。さて、当該事件が発覚してから既に2年以上が経過しているが、当時、取材を進めていく過程で滝義洋の存在を確認したときには、少しばかり驚かされた。

 と言うのも滝義洋については、古くから知るとこであったからだ。当紙が知る滝義洋の印象は、人当たりが良く口が上手いお調子者で、そこそこ仕事が出来るといった程度で、ニチロといった大企業の社員を取り込んで、詐欺を仕上げるほどの仕事人との認識はなかった。

 何れにせよ、当該事件そのものは、刑事裁判も終了し決着したかに思えたのだが、後に当該事件に関連した経済事件が発覚することで、再び注目せざるを得なくなったのだ。

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