2012年人類の終焉を説く、宗法「庚申会龍神総宮社」貴乃花親方も心酔する辻本公俊(代表)の正体とは? (8)

2011/06/22

 人類終焉を予言する新興宗教法人「庚申会龍神総宮社」(京都府宇治市=辻本公俊祭主代行)の公式サイトが、去年の3月を最後に更新が止まっている。「どうせ人類は終焉するのだから、チマチマと更新など出来るか」、といったところか。その割には、貴乃花親方や白鵬、多くのタレントを節分祭に招いて、呑気に豆マキに興じるなど、この世の終わりといった悲壮感は全く感じられない。

 言わず語らずとも、東日本大震災によって、我が国は危機的状況にある。まがりなりにも、人心を導く宗教団体の代表であれば、せめて亡くなった方のご冥福を祈り被災者を労わり励ます位のことを、公式サイトを通じて伝えるべきではないのか。現に、庚申会龍神総宮社の教義には「思いやりの心、お互い様の心、生命を大切にする心」と、尤もらしく謳っている。

 京都から遠く離れた東北の被災者を慮る気持ちは、辻本公俊には微塵たりもない模様だ。その代り、自身を心酔しきっている貴乃花親方の相撲協会内での出世と、信者から掻き集めた銭への執着だけは人一倍あるようだ。今から3〜4年前になるが、辻本公俊の自宅に賊が侵入し、夫婦の寝室にあった650万円相当の指輪や腕時計、加えて財布や現金など、およそ1600万円相当が盗まれた。

 賊の目につく場所に高級宝飾品や現金が転がっているとは、新興宗教法人の預言者を振舞うことが、いかに儲かる商売なのかが図らずも露呈した事件だ。辻本公俊の唯一の著書『2012人類の終焉』はベストセラーだそうだから、その印税の一部が指輪や高級腕時計といった宝飾品に化け、結果、賊の手に渡ったという何とも間抜けな顛末である。しかし、この事件にはとんでもないオチがあった。

 事件は、数ヵ月後に盗品のうち数点が京都市内の質屋で発見され解決した。ただし、その犯人の男は辻本公俊が運転手と雑用を任せていた身内だったのである。現代科学の常識を打ち砕き、宇宙の大異変を予言する辻本公俊であるが、身内の手癖の悪ささえ見破れないという、何ともお粗末な事件であった。

 宗教家としての高遠な理想などなく、札束を常に手元に置き、俗人並に欲求のまま高級宝飾品を買い漁る姿を、犯人の元運転手は日常的に見ていたのであろう。犯した罪は償わねばならないが、辻本公俊の傍らで、ふと邪な考えに陥ってしまった心情は、何となく理解できる。さて、一方で被災者救済に力を注ぐ貴乃花親方だが、その募金方法と使途が妙に怪しいのである。

敬天新聞社
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吉永 健一

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