石川遼君が「聞き流すだけ」で英語が話せたと宣伝する英会話教材スピ-ドラ-ニングの怪

2012/04/20

 米ツアー参戦、婚約騒動、親父の新聞記者への暴行騒動と、何かとスピードの速い話題の尽きないプロゴルファーの石川遼君だが、最近は英会話教材の広告塔となっている。インターネットやラジオで毎日のように宣伝をしているので「あの石川遼君も使っているスピードラーニング」「聞き流すだけの英会話教材」という宣伝を知ってる人は多いだろう。

 この「聞き流すだけ」で英会話を身につけられるという「スピードラーニング」なる教材を販売しているのは潟Gスプリライン(代表・大谷登:埼玉県川越市)である。

 石川遼君がゴルフのツアーで外国人と英語で対話している姿をテレビで目にすることがあると思うが、それは石川遼君がスピードラーニングを実践した成果なのだという。

 しかし、いくら好青年という印象深い有名人が宣伝しても、「聞き流すだけ」で英会話を身につけるなんて嘘だろう?というのが良識ある大人の意見である。

 そこで百聞は一見に如かずというから、サンプルCDを取り寄せてスピードラーニングがどんなものなのか聞いてみた。スピードラーニングとは、日常的な英会話とその和訳が、幾つも収録されているCDで、それを繰り返し聞くという単純な教材である。

 当記者が数十年前中学生だった頃、親に購入を迫って叱られた「睡眠学習」というのがあった。睡眠学習は枕の中にテープレコーダーが仕込んであり、学習したい内容のテープを流して寝ると、翌朝には学習内容が頭の中に入っているという夢のような通販グッズであった。

 何だかスピードラーニングも睡眠学習の類で、楽して学習したい少年少女が、相当申し込んでいるのではないかと危惧してならない。

 本当に英会話を覚えたいのなら「聞き流す」のではなく「聞き逃さず聞く」べきではないのか?そんな疑問を潟Gスプリライン代表の大谷登氏に投げ掛けてみたが回答は得ていない。

 そんな中、サンプルCDを申し込んだことで、エスプリラインの女性勧誘員から電話がかかってきた。

(以下、実録!エスプリラインの電話勧誘)

・勧誘「サンプルCDは聴いて頂けましたか?」
・当記者「聴いたけど、これで英会話が出来るようになるのか?」
・勧誘「もちろんです。繰り返し聴くことで英語が身につきます。先ずは英語の音、周波数に慣れることが大切です」
・当記者「勧めるからには、お姉さんもスピードラーニングで英語がペラペラになったの?」
・勧誘「いいえ・・私は全く話せません!」
・当記者「えっ、全く話せないの?スピードラーニングやれば!」
・勧誘「私は主婦なので中々そういう時間がなくて・・」
・当記者「そういう忙しい人にお勧めなのが聞き流すだけのスピードラーニングと宣伝してるじゃん!」
・勧誘「・・とにかく言葉が話せない赤ちゃんが、自然に言葉を覚えるのと一緒で・・」
・当記者「説得力無いな〜。本当に聞き流すだけで、直ぐに英語を話せるようになるのか?」
・勧誘「いえ・・直ぐには話せません」
・当記者「えっ?どういうこと」
・勧誘「個人差がありますので、話せるようになるまで一年の人もいれば5年の人もいます」
・当記者「5年も同じCD聴いてれば、馬鹿な俺でも暗記するかも知れんな〜」

 以上の会話から「聞き流すだけ」で英語が話せるようになるという誇大な宣伝が許されているのは、出来るようになるまでの「期間」を謳っていない、片言でも良しとするのか効果の基準が曖昧、誰でも必ずとは謳っていないということだろう。

 効果には個人差があるというから、当記者はスピードラーニングを何年聞き流しても、海外で一人暮らしが出来るほどの英語力を身に着けることは無いだろう。石川遼君の好青年というイメージに味噌が付きそうなグレーな教材宣伝だ。

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