野村秋介追悼十五年「群青忌」 風の軌跡(10/21)

2008/10/25

 十月二十一日、四谷区民ホールにおいて野村秋介追悼十五年「群青忌」講演会が開催され、慶應義塾大学・小林節法学部教授他数々の著名人の方が講演された。
 十五年前の十月二十日、野村秋介氏は自害をもって日本の再生を訴えた。あれから日本は良くなるどころか症状悪化の道を辿り、今や日経平均も数ヶ月前の12,000円台の頃には想像つかなかった8,000円割れまで下落するという最低の状態。
 マスコミは面白がって不景気不景気と騒ぎ、政治家と同様、庶民の生活など考えようともしません。この講演会ではそのような状況を憂うべく講話がなされた。
 十五年前の手記で、野村秋介氏は、当時自民党の五十五年体制を崩し、新進気鋭の総理と期待された朝日新聞記者あがりの細川護煕が発言した「侵略戦争として〜お詫びする」という軽はずみな発言を深く嘆いておられた。
 十五年後の今も日本の政治家は一度放った侵略戦争容認発言の呪縛から逃れられずに諸外国に頭が上がらない。うってかわって発言者・細川護煕は自分の失言の反省もないまま元総理という立場を最大限に利用し、田舎暮らしと陶芸だかの侘び・さび・枯れ系の無欲の人のような立ち位置で、かなり儲けている。
 この先に来る総選挙に庶民の期待は薄い。民主党でもいいか……的な空気で溢れている。どうなるかは分らないが、この現状は、野村秋介氏が命を賭けて期待した日本の将来ではなかったであろう。

 

             

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