社主の独り言(辛口)

(敬天新聞5月号)

▼一つの節目や出来事によって人生が変わってしまう。人生観が変わるというのは、個々にはよくあると思う。だが多くの人が同時に無理矢理変えさせられてしまう、というのは六十六年前の終戦後以来ではなかろうか。
 雲仙普賢岳噴火も、阪神大震災も大災害ではあったが、限定地域の範囲というイメージだった。だが今回は東北太平洋側の全てという広範囲で被災し、追い討ちを掛けるように原発事故が発生している。

 津波で海岸沿いの全ての町が流されてしまった為、同じ場所に再開発できるかどうかも見通しが立たない。被災者の多くは農業や漁業に従事している人が多いが、その野菜や魚が原発事故の為、廃棄されているのだ。
 国内での風評被害はまだ救う道もあろう。だが外国から見れば日本全体が危うく見える。日本産の食品、食材の全てが受け入れ禁止になる可能性もある。原発の今後の収拾次第では国全体が被災地になり、国民全てが被災者になる可能性さえあるのだ。現に東京にいた外国人が地震後、三週間で二十四万人も出国した。偽装結婚までして出稼ぎに来ていた外国人までもが亭主や女房を置いて帰国した。東京に全く活気がなくなった。

 自粛もあろう。節電もあろう。自粛はまだ余裕があるみたいだし、ある程度時が経てば、心掛けや雰囲気で変えられる。だが計画停電や強制停電、輪番停電は確実に営業力、労働力を落とし、日本の経済力転落に確実に繋がって行くだろう。今現在は関東以北の被害のように見えるが、東京が停滞するということは、日本が停滞することである。一見、関西や九州には関係のない災害、事故のように思えるかも知れないが、徐々にその影響は出てくる筈である。
 だから東京は何としても守らなければならない。外国人は逃げてもいい。子供だって危ないというなら安全な場所へ疎開させればいい。

 だが大人は逃げるな。正面から現実を受け止め戦え。今こそ今までお世話になった日本という国に、その地域に恩返しをし、子供を守る為に、家族の為に立ち上がるべきだ。難しいことではない。今までやってきたことをそのまま続ければよい。被災者の分まで働くことと風評被害を含めた外国からの苛め、差別に耐える我慢、それに打ち勝つ努力は必要であるが、冷静沈着、勤勉、我慢強さを併せ持つ日本人の国民性から考えれば十分可能である。

 原発事故の現場に於いて、濃い放射線物質が出ていることで、事故現場に近付けず、修復が侭成らない状況が続いている。普通に近づいて作業が出来るなら疾うに放射線物質漏洩は修復出来ているだろう。
 フタを閉めるだけとか、簡単な作業であるなら、例え被爆してでも俺が行くという人は万といるだろう。国から募集があったら私も手を挙げるつもりだ。御役に立ちたい。

▼復興財源の税について、政府は迷っているらしい。大きく言えば、消費税と所得税に分かれる。消費税を一%上げれば年間二・五兆円のアップになるし、所得税を一割上げれば一兆円弱になるという。
 消費税アップでは累進課税が逆進税となり、低所得者に不利ということから、所得税プラス他税という意見が多いそうである。高所得者が多く負担するというのは、資本主義社会では当然のことであるが、年間三兆円は必要と言われる復興財源には高所得者だけに一割負担させても、到底足りない。
 それに日本国民が一体となって応援したいという気持ちの表現を示す為にも消費税アップの方が相応しい。百円に一円プラスされても(現在消費税は五円だから実際は六円になる)不愉快に成るより、被災者の応援になっている、日本国民として役に立っている、と考える人の方が多いのではないか。

 我々貧者も何かしたいが何も出来ない。義援金も一時的には集まるが、徐々に忘れられていく。日本人の忘れ癖も直ぐに出てくるだろう。確実に復興を成功させる為には、日本国民全員の努力、協力が欠かせない。夏場に向けて節電もあり、経済力が相当落ち込む可能性もある。加えて原発事故の終わりが見えてないだけに、外国からの風評被害もあるだろう。
 場合によっては風評被害ではなく百キロ圏までの強制退去という現実になったら、とてつもない被害拡大と経済力低下に繋がり、先行きが全く見えない状況になるだろう。今は間違いなく有事である。消費税にすると低所得者だけでなく被災者からも取ることにもなる、と反対論をいう人がいるが、被災者には見舞金や補償金、賠償金が配られる訳だし、被災者も国民の一人として義務を果たす事によって、それで国の役に立つという誇りと感謝を感じる事ができるだろう。

 被災者だって、自分だけが良くなろう、自分だけが助かろう、なんて考えていない。皆と喜びも悲しみも共有し、自分達だって協力できることはしたい、と考えているのだ。悲しみのドン底にありながらも、感謝の言葉を口にする被災者の何と多いことか。そういう言葉を聞く度に涙が出る。だからこそ、この国難の有事を乗り越えるには全国民の一致団結が必要であり、冨者だけでなく、貧者も協力したいのだ。
 但し、あくまでも限定の復興税であって、これを奇貨としてのドサクサ紛れの消費税アップとは別物としてである。それでも消費税アップに?を持つ人の為に、酒、たばこに十円づつ増税。加えてパチンコを含めたギャンブルから税を取ればいい。
 勿論、子供手当て(昔は子沢山の家でも皆家庭で育てた)、高校無償化(義務教育は中学まで)、高速道路無料化(建設工事代金を回収したところはいいが、それでも維持費はかかる。安くすることは可能)は、原則、廃止を始めとした無駄な支出の再見直しから始めるべきだ。

▼菅さんのリーダーシップが問われている。しかし誰がポスト菅かと言うと、民主党には小沢ぐらいしかいない。
 だが、小沢は金に汚れ過ぎてるし、東北利権の勇者だけに国民に嫌悪感があるだろう。さりとて自民党にもこれというオーラのある男はいない。
 この有事に際して、最もリーダーシップを発揮できる男と言えば、やはり石原慎太郎ではないか。強引過ぎる、差別過ぎる、好き嫌いが激しいとかの短所もあるが、言わんとする所、やろうとする所は大局から見れば常に的は射ている。

 彼の最も強い武器は実行力があるところ。不可能と言われていたことを平然と確実に成し遂げてきた。功罪はあったろうが、歌舞伎町浄化や排ガス規制はその最たるもの。特別内閣として二年間位作れないものだろうか。その時必ず大臣に任命して貰いたいのが杉良太郎と渡哲也である。この二人のボランティア精神と貧者に対する思いやりは別格である。ビートたけしも入閣させるべき。コメディアンのレベルを上げたのは間違いなく彼だろうし、多才な能力は国民に人気があるし、カリスマ性もある。発想の豊かさからいうとテリー伊藤も面白い。

 何もできない、口先だけの議員より、一生懸命の人の方がこういう時には役に立つ。小沢一郎なんか自分の古里の一大事なんだから議員生活で稼いだ全てを義援金に送っても罰は当らない。
 それに比べたらソフトバンクの孫正義は偉い。在日韓国人でありながら百億の金をスパッと出すなんて本当に素晴しい。今後全ての役員報酬も義援金にする、という事まで宣言した。貧しい子供時代、日本人に差別されたろうに。日本で稼いだとはいえ、その卓越した能力は自分自身で作り上げたもの、誰に遠慮は要らない筈だ。

 日本に、日本人に恨を持っている韓国人はまだまだ多い。その在日韓国人の孫さんの行為は多くの日本人の考えを一掃する可能性がある。
 私自身は犯罪を行う外国人を嫌うだけで余り差別的な気持ちは持っていない。私自身孫さんを見る目が確実に変わった。この人も入閣して欲しい。最近、NHKの大河ドラマ「江」を見て、豊臣秀吉の軽さがつくづく嫌になった。逆に北大路欣也の貫禄が家康を魅力的に見せている。子供の頃から持っていた両者のイメージが全く変わってしまった。書き手によって全く変わる歴史認識というのも如何なものか。人の見方、感じ方、所詮好き嫌いってこんなレベルで評価するのかなー。

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