敬天新聞7月号
▼小沢が自滅したことは良かった。本当なら国会で袋叩きにされ、民衆に八つ裂きにされて潰れていくというのが理想だが、其処への第一歩という意味では前進である。一見、鳩山小心総理に道連れにされた印象だが、冷静に見ると、小沢は自滅したのである。
多少の実力は元々あったのかも知れないが、調子に乗り過ぎて一国の総理を恰も自分だけのロボットみたいに操って、三百五十人近い国会議員に一切物を言わせない恐怖政治を敷いた結果、自分で何を言っているのか、何をしているのか全く分らなくなってしまった夢遊病者のような鳩山が、小沢に一喝されたことで目が覚めたという皮肉な結果が出たのである。
「目が覚めたよ」という合図こそ、あの親指をグッと立てたサインだったのである。小沢は調子に乗りすぎたことを後悔しているだろう。負け惜しみ的な行動を今後とる可能性はあろうが、覆水盆に返らず、一度解き放たれた民主党議員の全員を再度呪縛にかけることは不可能だからである。
小沢失脚を切っ掛けに一人一人が本来の国会議員の本質に目覚めることだろう。それにしても小沢を勘違いさせた一つに小沢と同等クラスの議員が何も注意しなかったことだ。羽田も海部も総理経験者でありながら何と嘆かわしいことか。責任をとって議員を辞めるべきだ。
唯一救いだったのは、渡部恒三だった。菅政権は今の内閣構成にプラスして渡部恒三と生方幸夫を要職に就ければ、今できる満点な配置になったろう。例えば政治倫理審査会委員長に生方幸夫を任命し、顧問に渡部恒三という布陣で臨めば、あと五人比例で通る可能性があったろう。
そこまで小沢に反旗を翻すことに躊躇があったのだろう。その裏にあるのは小沢が率いているグループの存在だろうが、もう小沢には誰も付いて行かない。小沢の「政治は選挙」という考え方は「勝てば官軍」という理論から来てるのだろうが、それは本当の意味での国民目線ではないし、政権交代、変化を望んだ政権には成り得ないのである。自民党時代の延長、利権政治の延長に過ぎないのである。
小沢の場合、その利権政治を一極集中にしようとした分、自民党時代より、もっと恐怖政治になっていた。小沢の政治資金規正法違反を誰が見抜いたのか知らないが、この一報が恐らく「田中角栄の金脈」を発表した時と同じ結論を導くのは間違いないだろう。
小沢について行くことは国会議員として自殺行為につながることは分っているので、あの腰巾着の山岡賢次も輿石東も高嶋良充も間違いなく離れていく。ただ不思議だったのは山岡も輿石も労組や教組出身で小沢のような金権体質を一番憎んでいた筈だったのに、いざ体制側になったら当たり前のように受け入れたことである。やはり人というのは欲望の前には思想信条も信念も木っ端微塵ということだろうか。残念至極な見本である。
だから菅総理は自信を持って小沢を切るべきだ。そして思いっ切り民主党政権で思いの丈をやってみればいい。支持率がV字回復したということは、鳩山政権では小沢の影響で本当の評価はできなかった。もう一回チャンスをやろうじゃないか、ということだろう。
民主党批判の私でさえ、小沢の金縛りにあった民主党議員が哀れで解放された喜びと小沢離れした菅内閣に思わず拍手したい思いで気持ちは六十五%の支持者と同じ心境だった。
ただ忘れてならないのは、民主党の本質は外国人地方参政権付与法案の様な日本国民にとって全く利益にならないような法案をゴリ押しする危険思想を持った団体が隠れ潜んでいることである。自民党時代の無駄遣いを事業仕分けし、癒着を断ち切る可能性のある民主党に国民は期待しているのであって、売国奴政権にはノーであることも忘れてはならない。
民主党の場合、余りに理想ばかり言い過ぎて、現実とのギャップが大き過ぎる。だからマニフェストが嘘だらけになるのだ。
子供手当てや高校無償化等にしても全く議論が尽くされていない前に実行されてしまった。借金までしてやることなのか。それも何故外国人の子供まで面倒見るのかが分らない。民主党は参議院選挙で勝ったら、必ず外国人参政権付与法案をゴリ押ししてくる。絶対勝たしてはいけない。
それにしても日本人は人がいい。あれだけ支持率が下っていたのに、鳩山や菅がちょっと涙ぐんだらもうこの支持率だもんなー。経済が苦しい、厳しい、とか言いながら、本当の危機感というのは全くないんだなー。
▼先日の週刊文春に当紙が仙谷由人官房長官を糾弾した件が大きく記事になっていたが、内容はその裏話が記されていた。裏話だから私自身は全く知らない。
週刊誌に書いてある記事が本当なら、仙谷官房長官も相当焦ってたんだね。それにしても、何も塀の中にいる小川先生に頼まなくても、幾らでも代わりを務められる人はいたろうに。
今となっては、今を時めく官房長官ということで、我々としても安々と喧嘩を売る訳にはいかないが、当時は一議員だし、それも野党の。恐るるに足らずというのもあったからね。小川先生の仲間(知り合い)だと知ってれば遠慮したのに。
週刊誌の内容を一部訂正すると、私の所へは誰も「辞めてくれや」とは来なかった。今は糖尿で手も足も無くなってダルマ状態で入院している総会屋のウルサ型だった岡本次郎氏の兄で、当紙「敬天新聞」の発刊当初、新聞の作り方を御指南頂いたジャーナリストの神永氏から仙谷議員のことで秘書が困っているという問い合わせがあっただけだ。
というのも岡本・神永兄弟は徳島出身の著名人で、それなりの人脈もあり、秘書の一人と知己の関係だったらしい。私自身もこの件では弁護士案件の中に政治的圧力があるのではないか、という理不尽さを追及しただけで、それ以上の深追いをする気などサラサラ無かった。
実は私は仙谷氏のファンである。就任会見で汚い金を使ってまで当選しようとは思わない、汚い金を集めようとは思わない、と言いながらも、清潔さだけではなく、浪花節的で許容範囲の範疇なら多少の濁も飲み込みそうな雰囲気もあるし。仙谷氏を見ていると東映時代劇の片岡千恵蔵とか月形龍之介のような役者に見えて仕方がないのである。
外国人参政権付与法案や夫婦別姓、財源のない中での子供手当て(特に日本に住んでいない外国人の子供に配るのが分らない)等、相容れない思想信条もあるが、古狸自民党に戻るより思い切りやらせてみたい布陣ではある。
何せせっかく政権交代を果たしたのに明後日の方ばかり見て腹案のない屁のような軽い発言を連発する総理に、片や党員議員に一切の発言をさせない独裁幹事長の二人だけが主役の政権では政権交代とは言えなかったろう。何も発揮できないまま潰れたのでは比較の対象が分らない。
現に菅内閣では消費税値上げという現実路線に目を向けだした。野党時代の無責任な理想論は通らないことに気づいてきた証拠だろう。
ただ民主党の卑怯さは外国人参政権付与をマニフェストに載せないことだ。消費税も載せない。サギフェストなのだ。枝野も前原も野田も、いい仕事しそうだけどねー。
自民党は相変わらずバカ。菅総理が消費税一〇%を参考にしたいって言ったら「やはり自民党こそ政治のプロ」と喜べばいいのに、何で批判するのか分らない。今までのツケは全て自民党とそれに負んぶに抱っこしてきた官僚の負の置き土産であることを忘れてはならない。
また民主党も国民の「お人よし」に驕り昂ぶった態度での強引な政治を続ければ、本格政権としては育たないだろう。政権交代が実ったのは小沢の手腕ではない。自民党政権の癒着と驕りと無駄遣いに辟易しただけ。
自民党が勝つ方法はある。先ず国民に謝罪すること。六十五歳以上は辞める。外国人参政権付与法案に反対声明を出す。これだけで間違いなく勝てるだろう。それが出来ない自民党にはまだ入れられない。
俺?俺は「たそがれ日本」に入れるね。たそがれてきた自分の気持ちと代表二人が痛々しい枯れた声を振り絞って、時代遅れと分っていても何とかこの日本を守ろう、立て直そう、という古きよき時代の日本人らしさが伝わってくるからね。若者に負けるな、頑張れ「たちあがれ日本」。
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