何か知らぬが嬉しくて仕方がないといった感じでインタビューに答える亀井正行社長
（敬天新聞５月号）
何か知らぬが嬉しくて仕方がないといった感じでインタビューに答える亀井正行社長
今時、絶対儲かるなどと口にするのは詐欺師くらいのものだと思うが、㈱東京メンテナンス（日本橋兜町三－五郵船ビル三階）の代表・亀井正行と、その取巻きも例外ではないだろう。
昭和二十二年頃、日本を代表する大手三大海運会社の一つである日本郵船㈱の社員であった岩井謙造が独立し、ＧＨＱよりビルメンテナンスのノウハウを吸収し創業したという岩井興業㈱。長年の努力によって得た実績も、今や業績を向上させるために招き入れた亀井正行の手によって、瀕死の状態に陥っている。平成二十年に㈱東京メンテナンスに改称したときには既に岩井興業時代の社員は排除され、怪しい会社へと変貌を遂げていた。
嘗ての岩井興業は、在日ウクライナ大使館よりシジャチェンコ通商貿易代表を招いて催しを開いたり、東京帝國ホテルで創業六十周年を祝うパーティーを開き、臼井日出男・相沢英之・片山さつきといった政治家や野村克也監督夫妻・デヴィ夫人・和泉元彌といった多くの著名人を招く程であった。
ところが、ＮＰＯ法人ウクライナ・モルドバ友好協会理事の肩書きを持つ亀井が代表となって、ウクライナでの事業投資を謳うジャパンウクライナトレードセンター㈱、カメイトラスト投資事業有限責任組合、無限責任組合ＩＰＭ㈱、共同組合福岡経営コンサルティングセンターの他、歯のインプラント治療を推進し、養成学校や直営病院の開業を謳うＮＰＯ法人日本インプラント推進協議会、日本インプラントローン㈱といった団体・企業を使って金集めを進める過程で、東京メンテナンスの未上場株の販売も絡む詐欺疑惑が俄かに騒がれるようになった。
ウクライナの投資では、カニの輸入や大理石、卵パウダー、ワインなどが、取引相手の政府や経団連と特別に連携が取れている故にローリスクの貿易が実現できるなどと謳い、出資者へ年一○％、二年目二○％、五年目には一二○％の配当を約束し、出資者を連れてきた人には四○％の謝礼を支払うなどと言ってネズミ溝式に出資者を増やしていたという。
また、東京メンテナンスの上場を謳いセントラル投資事業有限責任組合（台東区上野）の内田某と共謀し、法外な額で未公開株を販売していたという話しもある。
前線で金集めをしていたのは東京メンテナンス通商貿易部の伊藤（別名・山浦）、小野、竹田、早川をはじめ、投資家の勧誘に携わった林やクキタを名乗る中国人女性だが、配当が滞り元金も戻らない状態に出資者が不安を抱き始めた昨年には既に集めた金をネコババして会社を出て行ってしまっている。
亀井は出資者からの問い合わせに対し、居なくなった部下に責任を被せ、投資したお金の返済を迫るウルサイ客には整理屋で悪名高い津田勝に処理を頼み、小銭を掴ませて返済の意思をチラ付かせて、詐欺事件にならないように取り繕っていた。
既に配当も元金も返せる状態ではない亀井に雇われた津田は、問題が爆発するまでの時間稼ぎに過ぎない。娑婆に戻ったばかりの津田が東京メンテナンスの名刺を差し出し渉外担当で現れることが、疚しい銭集めであったことの証左である。
しかし、関係者を追う捜査当局や暴力団の動きが慌しくなってきたのか整理屋の津田勝も、とうとう４月に体調不良を理由に辞めてしまった。
警察当局が動き出したという噂が現実性を帯びて、亀井は四面楚歌の状態に陥っている。出資者や当局の対応に追われていた津田がサジを投げたということは、出資者には気の毒だが内情は限界に達しているということだろう。
社員への給与や家賃の支払いも滞っているというが、亀井は当紙の取材に対し「信頼して任せていた部下達が私の見えないところで悪いことをしていたようだ」と被害者意識をアピールしつつ「部下の責任は全て代表である私の責任であるから部下に責任を問わない」と格好の良いことを言っていたが、不当に集められたお金の一部が自分にも入っているから問えないのではないのか？「ウクライナの貿易とインプラントの推進事業が成功すれば、多大な収益を見込めるから、部下に騙された人や出資者の問題は解決する」と、この場に及んで現実離れした夢を語っていたが、亀井の姿は哀れな大狸にしか見えなかった。
しかし、遂にその亀井も体調不良で入院したとのことで音信不通となっている。
津田も亀井も居なくなった会社では、亀井の女房と思われる女が、親戚のタナカだのハタナカだのと名乗り「全て津田の仕業です。通商貿易部のメンバーは津田が連れてきたんです。亀井も騙された被害者です」と対応している。
本当に亀井も被害者だというのなら、なぜ会社や出資者の為にも津田や逃げた部下を背任横領などで刑事告訴しないのか？なぜ亀井の女房であることを偽るのか？怪しさは深まるばかりである。
三菱ＵＦＪ信託銀行㈱はＨＰで関与を否定し注意を呼掛けている