社主の独り言(濃辛口)

敬天新聞4月号

▼アメリカのトヨタ叩きを普天間の基地移転問題が決まらない事への意趣返しである、と思っている人は多い。勿論、一部当っていると思う。また日米安保や同盟国でありながら、トヨタを叩くのはおかしい、と思っている人もいるかも知れない。これは国の根本、人間の本質、動物の本能を知らない人の考えである。
 先ずトヨタは今や世界のトヨタとなり、その技術力、販売力、営業力、全てにおいて日本を代表する会社であって、アメリカの中でも確固たる地位を築いている。アメリカは政治の転換、景気の回復、所謂チェンジを求めてオバマを選んだ。アメリカに限らず、どの国も(人も)経済的に落ち込むと戦争というバクチを打って急場を乗り切ろうとする手を打つ。
 勿論勝てば相手の財産を全て没収する事ができる。その間の窮状を経験させる事で国民はまともな意見も言えなくなるし、贅沢も慎み、終っただけでホッとして満足する。その顕著な例がアメリカであるが、オバマは戦争はしない。しかし経済は一向に好転しない。
 そこで政治力で経済に介入し、アメリカのパートナーではなく一番ライバルの日本企業の有名どころを片っ端から叩く、というより、潰す事で、再度の従属の誓いと将来の市場、中国、インド、ブラジルへメイドインジャパンのイメージダウン作戦ではないか。

 その気持ちは分る。日本を守る為、駐留軍を置いた(アメリカが勝手に決めた)のだが、その間、全く外敵から攻められる心配もなく、ひたすら経済だけに力を入れて来た為、伸びたこと伸びたこと。あっという間に世界第二位の経済力。
 オンブにダッコに肩車までして貰っている状態の中での経済発展なのに、ノー天気な安全保障に対する怒りである。中には日本の安全を守る為の駐留なのにグアムに行けと言ってるバカもいるし。アメリカ国民から見れば、何で俺達が血を流してまで日本を守らなきゃいけないんだ、という思いがある筈だ。だがアメリカ政府から見た時には守る理由がそれなりにある。武器を放棄させ、再軍備させない。そのまま放置したらロシアや中国が侵入してくる。危険な国からの侵入阻止。その為には米軍駐留以外になかった。それでは何故沖縄なのか。沖縄は実際地上戦で戦い、そこに基地を築いた事も理由だろう。南国として米軍が生活しやすい。適度な島の為、監視が行き届き、守備し易く、又外敵からの侵入が防ぎ易い。そして最も大きな理由は戦略的な地理的優位性だろう。だからこそ沖縄に拘っているのだ。
 対する日本側は移転に際しては前政権から常に地元業者と政治家との癒着や利権的な話が付いて回る。前政権案に反対している筈の小沢一郎さえも、しっかり隠れて辺野古隣接地の土地を購入しているのだ。それでも前政権は日米安保が日本の経済・外交の基軸になっているという事で、アメリカとの外交を中心にしてきたのだが、鳩山・小沢は何の構想も持たないまま、悪戯に沖縄県民に夢を持たせ、国外、県外を訴え、最低でも県外をと今の混乱を招いたのである。
 同盟国だから全てを守ってくれる、というのは間違いである。アメリカにとって利益になるから同盟国であり、利権になるから日米安保を結ぶのである。また安全保障は、日本は米軍に対し、基地を提供する義務があり、その代わり米国側は日本を守る義務を負うという契約である。それなのに基地を国外へ持って行けというのは、論外であるし、一方的な日本側の言い分ばかり言ってると、アメリカ側は別の嫌がらせをするのは当然である。

 アメリカは世界的な戦略的立場から、沖縄基地から出て行くことはできないだろう。又人間の本質として、自分が守り育て上げた人間がいつの間にやら自分の生命を脅かす存在にまで成長すれば、当然叩いておかないと自分の立場が危うくなる。主従関係にあってこそ、仲間意識や助け合いは成り立つとアメリカ側は考えている。何故なら戦勝国と敗戦国、主人と奴隷からの付き合いの始まりと考えているからである。平和主義者と言ってもオバマだって所詮は動物の血が流れているので、本能的には弱肉強食である。暴力的な戦争は避けても、経済戦争を仕掛けて自国の利益を創り出すのは大統領としての仕事である。
 その本質を読み取れないで、迷走しているのが、鳩山、小沢民主党である。鳩山は自分の軽い発言がどれだけ沖縄県民を困らせ、アメリカ国民を怒らせているかが理解出来ていないし、小沢は政治を自分の欲を発露する場と考え、選挙こそが政治だと、何か勘違いしている。
 岡田は外交問題の秘密文書を暴露する事が国民の利益と考えている。確かに国民は改革を望んで政権交代を選んだ。三ヶ月、六ヶ月でその答えが出るとは誰も思わない。変革を求めた以上、我慢する事も知っている。
 だが民主党の本質の恐さに国民が気づき始めたのである。優秀な議員もいるが、小沢の恐怖政治に発言もできないし、外国人に参政権を与えるという、どこから判断しても国益に反する様な法案を強制的に推し進めようとする民主党は国民の敵と看做すべきである。

 野党時代の清潔さやあのマニフェストは何だったのか。嘘八百や責任の伴わない聴き触りのいい言葉は幾らでも言える。それこそ野党の無責任さである。とにかく反日的で、政府がやる事、体制がやる事、行政がやる事に何でも反対。理由は要らない。とにかく反対、という出身者が民主党の中には多い。そういう母体で育ち、そういう母体から推薦を受けて当選した者は当然恩返しとして、そういう発言、行動をとる。
 八割以上の国民の真意が外国人参政権反対と知り、取りあえず今国会での政府法案としての提出を取り下げたが、参議院戦で単独過半数を取れば、無条件で一番に提出するというから、何が何でも民主党にだけは勝たせる訳には行かない。夏までに自民党が国民の信頼を回復するのは不可能だろうから、国民自身が阻止するしかないのである。一つだけ心配なのは与党病に狂っている全く節操を持っていない宗教党公明党の存在である。組織の拡大以外これといった政治的な思想を持っていない為、甘い水を求めて、あっちに行ったりこっちに行ったり、政教一致の憲法違反の追及逃れにだけ汲々としているのである。
 その池田大作私兵と小沢一郎私兵が合体する可能性はある。人一倍、権勢欲の強い二人だから手段は選ばない。求めるものは利害の一致だけである。彼等の本質こそ国民は知るべきであろう。

▼プロレスラー初代タイガーマスクの佐山サトルさんが素晴しい本を出した。その名も「佐山原理」。彼が掣圏真陰流という新しい武道団体を創ったことは知っていた。何度か彼の講演を聴いたことがあるが、我々より遥かに保守派であり、理論家であることは知っていたが、日本人が弱くなった理由と強くなる為の作法・技術・心構えを肉体的、精神的に教えている素晴しい本だ。
 日本人が世界に誇れる唯一の武器は武士道精神である。アメリカ人は我侭で一人一人の人権意識が高く自由勝手に生きているように見えるが子供の頃から日曜礼拝を欠かさない。その為、キリスト教の教えが心の中に根付いているので精神基底に迷いがない。宗教が生活の中心にない日本人の場合、善悪の基準を判断することさえ出来なくなっている(だから日本では嘘っぽい、安っぽい詐欺集団的な新興宗教が腐るほど林立する)。
 その宗教に代わる日本人の精神基底こそサムライの歴史だというのである。「義を見てなさざるは勇なきなり」と言い、もし困った人を助けずに見て見ぬ振りをしたら、それだけで切腹ものであったし、そうした卑怯な振る舞いは恥であるという概念を全ての武士は持っていた。

 この武士道精神を壊し、キリスト教精神を植えつけることこそが占領軍の作戦であったが、国家神道が強いのと、宗教心が弱い日本人にはキリスト教は根付かなかった。そこで占領軍が考えた作戦が、「日本軍は正義の戦いではなく、侵略の為の戦いだった。国民はその犠牲者であった。戦争は二度と起してはならない。日本に武力は要らない」という国と国民の分断作戦であり、誤認のある歴史認識だった。
 そしてその心の穴埋めとして、スリーエス政策(スポーツ・スクリーン・セックス)を喧伝し、その結果が現在の腑抜けな日本人を作ったのである。そこから脱却するには正しい歴史認識を持つこと。自分達の国の歴史はどのようなもので、その歴史の中で、自分はどのような立ち位置にいるのか。正義を貫くために、大国との戦いも辞さず、更にはその戦いで国が危機に陥れば、国を守るために命を捨てることを辞さない強い精神を持っていた心を取り戻そう。この本を読んだら必ず貴方は強くなるだろう。武道書として精神書としても間違いなくバイブルになる。
 佐山さんありがとう。

▼特攻隊の産みの親、大西瀧治郎中将は、その責任を取って約束通り切腹をするのだが「苦しんで逝かなければヤツらへの元へは行けない」と介錯を付けさせず、十七時間もかかり亡くなった。またチョコレートやタバコなどの嗜好品を投げ込んで投降を呼びかける米兵に対して、最後の戦闘員になった浅田少尉以下六名は「貴殿の御好意の品は美味しく頂きました。しかし降伏の議に関しては日本武士道を習う者としてお受けは出来ません」と遺書を残し、全員が自決した。このような勇敢な最後を見た敵将校は「諸国から訪れる旅人達よ。この島を守る為に日本軍人が如何に勇敢な愛国心を持って戦い、そして玉砕したかを伝えられよ。米太平洋艦隊司令長官C.W.ニミッツ」と石碑を建てた。

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