エリアリンクと宮前平駅前の土地、野村不動産の「兵糧攻め」

2009/09/25

「サンケイビル・ルフォン宮前平建設反対」と野村不動産

 東急田園都市線・宮前平駅から横断歩道を渡り、ローソンの横の道路を登り始めると、目の前の石垣の上に「サンケイビルのだまし討ち」や「絶対反対」の大きな看板と数多くの黄色いのぼりが立ち、その横の傾斜地に小さな看板とやはり黄色いのぼり数多く立っているのが目に入る。

 サンケイビルのマンション「ルフォン宮前平」反対運動を強烈に示す風景だが、この反対運動の激しい「ルフォン宮前平」の建設現場に、昨年まで、被害者であるO氏の自宅があった事と、その場所を含む1000坪の敷地に野村不動産が高級マンションの建設を計画し、当主O氏ら親族と用地買収の売買契約を平成16年のクリスマスイブの日に行った事が、前回までの話であった。

 平成17年が明けて早々に、当主は国税局の担当官であるK氏に自宅を野村不動産に売却し年末に売買契約を締結した旨を伝えた。

 この当時、当主O氏の相続税額が大きいので、川崎北税務署から国税庁の管轄に移っていた。この担当官K氏は中々の人格者で、当主が長年こつこつと相続税を分納している事を評価してくれ、「納税額よりも自宅の価値のほうが大きいから公売で回収することはしない」と明言してくれていた。

 そして、この宮前平駅前の一等地を、何とか有利な条件で売却する事を勧めてくれていた。K氏は、今回の売却により、当主の相続税清算の目途がついたことを大層喜んでくれた。

 そして、当主に4億6千万円の計算額に対して3憶8千万円での支払いにより精算するという約束をしてくれたのである。当主自身も、このまま相続税の問題は自宅の野村不動産への売却で解決できると信じていた。

野村不動産の正体―契約後に徐々に露呈

 野村不動産は建設予定地の売買契約を締結してから徐々に正体を現してきた。年が明けて、当主は売買契約の内容を履行するための準備をしていた。しかし驚いたことに野村不動産は、同時に売買契約を結んだ隣の叔母宅のさらに隣の土地も極秘に買収に入るなどの行動に出たのである。

 この野村不動産の極秘行動は、買収相手(ご近所さん)より当主への問い合わせで暴露したのであるが、この野村不動産の極秘行動が、契約条項にこそ抵触しないとはいえ、当主に対する背信行為となり、信頼感を損ねトラブルの火種となったのである。

 そもそも野村不動産今回契約した敷地でマンションを建てるということで建築プランを当主に提示し、等価交換の部屋の場所や間取りを決めて契約していた。だから、当初の敷地と面積が違ってくれば、当主に提示された建築プランの建物が建つはずがないのであり、最初からそのような計画ではなかったことになる。

 当主はそこで、野村不動産との土地の売買契約と、建物の等価交換契約が別の契約書で行われた理由が初めて分かったのだった。

 つまり野村不動産側は「建物の等価交換契約」が不履行になろうと土地の売買契約には関係なくするため、いい加減な建築プランで等価交換の話を決めて、土地の売買契約を急いだのである。

 それまでの強引なやり方に加えての今回の背信行為で、当主は野村不動産に大きな不信感を抱いた。ここから次第に野村不動産の作為や悪意がにじみ出はじめトラブルに発展していったのであった。

 この後の、当主と野村不動産とのやり取りを書いていくと話が長くなってしまうので、詳しいことはエリアリンクの話が全て終わり、野村不動産のやり方を糾弾する際に譲ることとする。

 その後の結果を記す。

 まず当主が野村不動産側に対し、中間金の受け取りを拒否し、手付金の返還と共に売買契約を一度解除して、現状に即した売買契約を結びなおす事を主張した。

 しかし、当主の主張に対して、野村不動産は(契約を解除すると再契約に応じないと思ったらしく)現在履行中の契約に補足する書面で対応したいと主張してきた。

 叔母夫婦も、当主と野村不動産とのやり取りに嫌気が差し、売買契約の解除を申し入れ、場合によっては手付金の倍返しででも契約をやめる積もりでいた。

 しかし、野村不動産が作成した契約書の中の特別な制約条項(説明は一切なし)により、叔母夫婦も、自分達の一存では売買契約が解除できない・・・という現実を知らされる事となった。
(だから、野村不動産は何としてでも売買契約の締結を急いだのだ)

 元々は、当主も自宅の売却に関して異存はなかった。だが、それまでの野村不動産の強引なやりかたを考えると契約内容まで次第に変えられる不安があった。そこで野村不動産に対し、契約の結びなおしを望んだのである。しかし、野村不動産はそう簡単には契約を譲歩しないという攻勢の構えに出てきたわけだ。

野村不動産の兵糧攻め―売買禁止の仮処分―仮差押

 当主と野村不動産との話し合いは平行線を辿った。すると野村不動産は話し合いを進めながらも強引な法的処置を打ってきた。当時は地価も上昇中であり、野村不動産側は売買契約を解除すると当主は再び売買契約には応じないだろうと判断したのである。

 つまり、野村不動産は当主と叔母夫婦に対して契約の履行を求める裁判を起こすと共に、それに先立って当主と叔母夫婦の不動産に対して売買禁止の仮処分の申立て(つまり仮差押え)をしたのであった。

 この訴訟は、あくまで当主に対して契約書どおりに坪単価210万円で野村不動産に売り渡せという内容のものであった。

 つまり、いかに野村不動産が当主〜叔母夫婦の所有する東急田園都市線・宮前平駅から2分の高台に位置する1000坪の土地が欲しかったかが分かるものである。皮肉な事に野村不動産が起こしたこの裁判が数年後に野村自身を悩ませる結果となった。

 今回当主にとって重大なことは、総額18億3千万円で売却する土地に対して、わずか1億7千万円の手付金での契約を理由に、野村不動産から差し押さえを受けたことだった。
(それも、当主は手付金の返金を野村不動産に申し入れているのに)

 いままでは、当主は必要な時に所有不動産を担保する事で容易に銀行などから資金の調達ができたのであるが、野村不動産による仮処分の申立てにより、銀行融資の道が絶たれた形になった。つまり、当主は野村不動産に兵糧攻めにされたのである。

野村不動産の仮差押に呼応するかのような国税局の公売

 国税庁の対応については冒頭で記した通りだ。尚且つ当主は、その後の野村不動産とのトラブルについても国税局の担当者に連絡を入れ、早期に解決する約束をしていた。

 しかし、野村不動産との話し合いが長引くうちに、平成17年7月に担当官のK氏は転属になってしまい、新任の担当官・小林に引き継がれる事となった。

 そのうちに野村不動産と裁判になったのだが、それと連動するかのように国税局から当主に通知が届いたのである。

 全くの前触れもなく、いきなりの自宅に対する公売通知書であった。

 それまで国税局とは「滞納金額よりも所有不動産の価値のほうが高い」との理由で、公売にかけて税金を回収するようなことはしないとの約束だった。それが局内の引継ぎ事項として申し送りされていると思っていた当主は、約束が違うと抗議しに顧問税理士を連れて大手町の国税局まで出かけた。

 しかし、新しい国税局の担当官の小林は、あくまで自分の判断で方針を変更したと当主の抗議を取り合いもしなかった。つまり、「今までのことは関係なく、私のやりかたで物事を進めていきます」と言う言葉で切り捨てられたのであった。小林は若い担当官であり、出世欲の塊のような臭いがプンプンする男であった。

 税務署・国税庁の約束は信じるな!

 その時当主が学習した教訓であった。

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