アンツ、ウェストサイド、クリアスは社保加入の余裕あり?

2009/02/07

人材派遣アンツの偽装請負二重派遣シリーズ」を始めてから、本紙宛に様々な派遣トラブル情報が寄せられるようになったが、派遣労働者と派遣元間での『就業中の派遣労働者の怪我に対する擬装請負企業の慰謝料未払い事件』は、本紙が糾弾している人材派遣サービスアンツに限らず、数多くトラブル事例があるそうだ。

 トラブル原因は、擬装請負会社が社会保険や雇用保険と同様、「労災保険」にも未加入であることがほとんど。労災保険は使用者が加入する保険で一人でも労働者を雇えば強制的に加入義務があるのだが、多くの請負会社が金銭的事情から加入を先延ばしにしてしまい、事故って始めて慌てふためき被害を受けた労働者と言い争いになるのだと言う。

 他の保険と違って保険料は事業主が全額負担するから、これは事業主の故意・悪意の有無が分り易い。労災保険は正式には、労働者災害補償保険(ろうどうしゃさいがいほしょうほけん)と呼ばれ、労働者災害補償保険法に基づき、業務中や通勤途中に災害にあった労働者や遺族に、保険給付を支給する保険制度である。労災保険の申請は労働基準監督署に行う。

 労働基準法では、業務上の事由による傷病などに付いて使用者は、療養に必要な費用を負担し、休業補償を行い、障害が残った場合はその等級に応じた障害補償……と定めている。しかも使用者側の無過失でも免責はないのだ。業務上の事由による被災労動者は、事業主にそれらの費用を請求することが出来るのである。

 だからこそ、事業主は絶対に労災保険に加入しなければならない。逆に言うと、加入すれば事業主は労災保険により災害補償され、少ない保険料でかなりの範囲の補償を免責されるわけなので労災保険だけは必ず入っておくべきものなのだ。特にアンツグループ界隈の擬装請負が経営スタイルとして定着してしまった若い会社は資金基盤の脆弱性を補完する為にも労災保険加入は絶対なのである。

 アンツ本体も資本金を1,000万円から2,500万円に増資したそうだが、これは請負労働者たちの社会保険や労災保険を完備してあげるために蓄えたものと受けとめてもいいのだろうか?そういえばアンツもウエストサイド(新宿区新宿4丁目3番31号トーサイビル1F/木村善彦社長)クリアス(豊島区東池袋4丁目24番13号/中村浩樹)もこの不況下に週3〜4回は派遣スタッフに対する給料支払いをしているほど資金的余力があると聞く。

 と言う事は、その潤沢な資金から今後は労働者サービスとしてちゃんと労災保険と社保加入してくれると言う事か?いや、それより先に対厚生労働省・労働基準監督署対策として、2年前からの社会保険料の支払いを未納分全て支払わなければいけない義務があるから、労働者に対する労災保険うんぬんの福利厚生が出来るようになるのはまだまだ先になるだろうか?

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人材派遣アンツの偽装請負二重派遣シリーズ