練馬区役所から練馬区建設業協会所属業者へ、入札情報漏洩の疑い その9

2010/06/12

 練馬区建設業協会(河端志郎会長理事=河端建設)に加盟する「立花建設株式会社」(立花祐一代表=練馬区向山4-35-18)が大きな仕事を取った。13業者の入札参加があった『練馬区立大泉北小学校校舎耐震補強・床改修およびトイレ改修等工事』(予定価格98,175,000円)を、見事に落札したのである。

 練馬区内建設業者のなかでも、高ランクに位置する業者が揃った入札を制したことも然ることながら、同入札では注目すべき点があり、それについて見事という他ないからである。それは、落札者である立花建設と、もう1社を除いた残りの11社全てが失格したことである。

 失格理由は、最低制限価格を下回ったからである。最低制限価格とは、安かろう悪かろうの施工を排除するが為に、発注者が設計仕様書通りの施工が可能となる金額を、予め設定する金額(予定価格の100分の85から3分の2の範囲内)である。

 入札業者は、最低制限価格を予測しながら、失格ギリギリのラインでせめぎ合うのである。純粋な叩き合いが展開する入札案件では、如何あっても落札するんだという意気込みから、数字を削りすぎた結果として、暫し失格する業者が発生する。

 しかし、これ程多くの失格者を出す入札案件は珍しい。しかも、失格業者の多くは練馬区内でも指折りの業者であり、その積算能力は其れなりに高いものだ。加えて、何百何千もの練馬区案件に関ってきた業者なら、役人が考える最低制限価格を揃いも揃って見誤る事態など尋常ではなく、まさに異常だともいえる。

 兎に角も、表面上は立花建設の積算担当者の能力が圧倒的に優れており、他業者が太刀打ちできずに惨敗したという結果のみが残った。さて、当方が懸念・疑いをもっている入札参加業者数の事前漏洩が、今回も有ったとするなら、談合による受注調整は不可能との判断が下され、オープンな叩き合いになったと推測される。

 しかし、ここで新たな疑惑の念がよぎる。若しかすると、区内部の一部関係者のみが知る、電子入札サービスに登録した最低制限価格が漏れ伝わったのではないかという点だ。そうであるなら、今回の異常な入札結果の説明もつく。練馬区が受注先コントロールに、より積極的に関与したとするなら、今後も徹底的な監視が必要と考える。

 さて、立花建設の40名からの社員は、先週末に日光・鬼怒川へと社員旅行に出かけていたらしい。新年度早々、他業者を蹴散らし仕事を手にし、さぞや楽しい旅行だったであろう。

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