練馬区役所から練馬区建設業協会所属業者へ、入札情報漏洩の疑い その8

2010/05/08

 昨年来、入札参加事業者の漏洩疑惑を追及してきたが、対象としてきた練馬区(志村豊志郎区長)練馬区建設業協会(河端志郎会長理事=河端建設)、同協会事務局長の角田浩(コバ建設営業部長)等だが、そろいも揃って殻に閉じ篭もったままである。

 ただし、入札参加事業者が特定事業者で固まった場合にのみ生じる、不自然な高落札率の実態や、入札結果の開示方法に作為が見られても致し方ない、電子入札サービスの運営などは、行政としては放置しておくことも出来ず、少なからずは改善のあとが見てとれる。とは言え、一度は手にした利権を、易々と手放したくないのは官業双方の本音であろう。

 この時期に、疑義を持たれるあからさまな動きを取れば目立ってしまう。しかし、次から次にと発生する建築工事案件を、策を講じることなく指をくわえて眺めてる訳にはいかない。そのジレンマが、どちらに向うのかを判別する機会が近々にもある。

 その案件が、5月11日から26日の間に入札期間が設けられた『練馬区立大泉北小学校校舎耐震補強・床改修およびトイレ改修等工事』(予定価格98,175,000円)である。

 練馬区は、同工事案件の開札方法を、入札締め切り後、即座に開札することにしている。以前には、締め切り翌日の開札を行なっていたことからすれば、多少は進歩したと評価できる。

 無論、これまで翌日開札といった理解不能な運営をしてきた程度の低さからすれば、入札の透明性確保に向けた職員の意識改革までには、いまだ程遠いと言わざるを得ない。

 さて、同工事への入札参加条件は、共同運営格付がA・B等級に絞られており、練馬区建設業協会にとっては是が非でも受注したいシノギだ。因みに、入札参加申請は4月28日午後5時に締め切られることから、練馬区からの有難い囁きが告げられるとしたら、締め切り以降から数日の間と考えられる。

 敢えて入札結果を予想するならば、入札参加事業者が練馬区建設業協会の事業者で固まれば、予定価格に限りになく近い落札となるだろう。一方、同協会以外の入札参加事業者が加わり、談合が成立しない見通しとなれば、最低制限価格を割り込む失格を含め、競争原理が機能した純粋な入札(たたき合い)となる筈である。

 同工事案件ひとつの結果をみて、練馬区と練馬区建設業協会との蜜月関係が、解消したか否かの判断を下すのは早計であろうが、今年度入札の方向性は見えてくるに違いない。今後とも、他の案件も含め要注視である。

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