(2009/12/22)
官製談合疑惑の渦中にある練馬区役所(志村豊志郎区長)だが、当方の疑惑指摘については、総務部経理用地課契約係は完全否定している。無論、身内への調査などするまでもなく、情報漏洩者など存在するはずがないとの姿勢である。言ってみれば当然の回答なのだが、だからといって入札業務に携わる契約担当者が、入札参加希望者数を漏洩しているのではないかという疑惑を払拭するには至らない。
本件については、練馬区内の建設工事等の請負契約で、絶大な受注実績を誇る練馬区建設業協会所属業者が、事前に入札参加希望者数を知ったうえで落札していると思われる案件が相当数にのぼっている。
限りなく予定価格に近い落札の殆どに、練馬区建設業協会の所属業者が絡んでいるのだが、その全てを単なる偶然で済ますのは、余りに都合よく無茶な話しである。
指名入札から、より間口を広げる一般競争入札に移行し、更に業者間の事前接触の機会を奪う電子入札制度の導入と、表向きは改革が進んだと見られるが、練馬区内という限定された地域内で、入札参加希望者の顔ぶれが常に一緒である以上、談合を完璧に防ぐ事は事実上不可能としかいえない。
加えて、談合の成否を判断するに必要な入札参加希望者数の情報を、特定の業者或いはイチ人物が握っているとするなら尚更である。練馬区の官製談合疑惑の仕組みは、区側の協力者から入札参加希望者数を聞きだすことから始まる模様だ。当然、参加申請の受付から資格審査と通知業務を行なっている、総務部経理用地課契約係に協力者が潜んでいると推測される。
この情報をもとに、例えば6社なら調整可能、10社なら不可と、判断するのである。そもそも、工事金額(設計金額)の規模が大きくなると、参加条件を満たす業者は限られてくる。結果、施工能力上位に格付けされている業者の大半を抱える練馬区建設業協会は、入札参加希望者数から、『仲間だけか、その他が混ざっているか』を見極めるのである。これにより、練馬区に於ける入札結果は、工事金額(設計金額)が大きいほど、競争原理は機能することなく高止まりの落札に落ち着くのである。
逆に、施工能力下位の業者が参加する入札では、予定価格を大幅に下回る、所謂叩き合いを示す結果が見て取れる。素人考えからすると、より規模の大きい案件のほうが、参加業者各自の積算の差異で、競争が活性化すると思えるのだが、どうやら練馬区の場合は違うようだ。