潟Aドバックス(東証マザーズ・株価コード 4749)、NSR細川徳生グループの会社法錬金術 

梁山泊のビーマップ・オーベン株仕手戦とアドバックス

(2009/10/08)

仕手株ビーマップ株価操縦

 昨年の2月13日、東証マザーズ上場のIT関連企業株式会社オーベン(Orben Inc. 旧社名アイ・シー・エフ)が不正な買収をしていたとして「金融商品取引法違反(偽計)容疑」で、梁山泊グループ代表の豊臣春国氏と、潟Iーベン社元社長の佐藤克容疑者ら計4人が逮捕された。

 ところがその1年前の2007年3月にも、大阪府警が梁山泊グループの経営者である豊臣春国氏と指南役の川上八巳氏を、大証ヘラクレス上場の情報通信サービス会社・ビーマップ(東京都)株の仮装売買を繰り返した株価操縦の容疑で逮捕していた。

 ビーマップ事件の内情は、梁山泊の豊臣春国氏がビーマップの株価を不正に操作する際、指南役の川上八巳容疑者が、ビーマップ社幹部に梁山泊からの数千万円の資金提供を持ちかけ仕手戦に加わるよう執拗に勧め、それが発覚したものだった。

ビーマップへのクズ会社買収要求―株式交換による上場会社喰いの典型

 豊臣氏らがビーマップ株を仕手用に仕込み始めた05年1月ごろから、川上氏が同社幹部に「資金を融通するからビーマップの株を市場で買わないか」と持ちかけ、ビーマップ側を株価つり上げに協力させようとしていたそうだ。

 川上氏はその際、04年に、東証マザーズ上場のIT関連会社の株を買い占め高値で売却して数十億円の利益を上げたことを暴露し、ビーマップ株の仕手売買でも利益を得られると吹聴して、その幹部に株取得資金として数千万円の額を提示。

 また、ビーマップ株の仕手戦への参加と共に、梁山泊関連の出版や広告会社など5〜6社を買収するよう持ちかけ、ビーマップの株価を押し上げ業績を伸ばすコンサルタントとしてのIR担当者を受け入れるよう要請していた。

 これが利益供与と株価操縦の容疑に問われて1年。ビーマップ事件の報道もウヤムヤなまま、今度は別件として株式会社オーベン買収時の不正が発覚し「金融商品取引法違反(偽計)容疑」で逮捕されたわけだ。

株式会社オーベン(Orben Inc. 旧社名アイ・シー・エフ)

 潟Iーベンは、IT起業家の井筒大輔氏が97年に設立した電子商取引市場を運営会社で、2000年10月に東証マザーズに上場。

 潟Iーベンには、井筒大輔氏ほか重田康光氏の光通信藤田晋氏のサイバーエージェント宇野康秀氏のUSEN嵜岡邦彦のニッシンが出資した。当時のIT・IPO成功者達の間で流行っていた最大の金儲けは、自分の創業会社を新規公開させ、株式上場で膨らんだ資本金をもって新たな未公開株会社に投資し、その未公開株会社をまた株式上場させ、上場と共に高値で売り抜けて資金を膨らませる手法であった。

 だが、潟Iーベンの株式公開による高値売り抜けはITバブル崩壊で失敗。それに潟Iーベンに電子商取引ビジネスの実績がないことが個人投資家に見透かされていた。筆頭株主である井筒氏は潟Iーベン株式の売却を画策。

オーベン株でライブドアの株式交換錬金術がマスコミに注視された

 潟Iーベンは村上ファンドの村上世彰、バリュークリエーション天井次夫を介して、2001年12月、「カーコンビニ倶楽部」のFC展開で知名度を上げた翼システム(道川研一)に売却された。翼システムは井筒・光通信・サイバーエージェント・USEN・ニッシンの潟Iーベン株式を買い取り、42.9%の筆頭株主になった。

 その後、翼システム道川氏は潟Iーベンのオーナーとして、潟Iーベンにオートバイテル(当時、翼システムの子会社)の第三者割当増資を引き受けさせた。それによりオートバイテルは翼社の子会社からオーベンの子会社となる。これが何を意味するのかと言うと――道川研一氏は、3年間に約38億6,000万円の所得を隠し、法人税約15億6,000万円を脱税したとして、逮捕・起訴された刑事被告人であり、当然、翼システムとしては株式上場などできる身分ではない――そこで上場会社の潟Iーベンを入手――した事で立派に上場企業オーナーの肩書き――即ち裏口上場と言うやつだ。

 この手の裏口上場は、今流行の未公開株詐欺会社で莫大な資金を得た投資詐欺師達が現在進行形で実行している。また、本記事の主役である細川徳生のアドバックス買収も似たようなものである。しかし上場会社という点を除いては、潟Iーベン自体は儲けの出ない赤字会社で単なる箱であった。この潟Iーベンという箱で最大限の儲けを出すために道川氏は、佐藤克と言う人物を潟Iーベンの社長に立てた。

 03年12月、佐藤克は子会社としていた消費者金融のウェブキャッシング・ドットコムを「株式交換」方式でホリエモンのライブドア(当時・オン・ザ・エッヂ)に売却し、ウェブキャッシング・ドットコムはライブドアの子会社となった。潟Iーベンはウェブキャッシング・ドットコムの譲り渡しによって得たライブドアの株式を、沖縄で変死したライブドアの故野口英昭氏の「M&Aチャレンジャー1号投資事業組合」に買わせて売却代金8億5,000万円を現金で受け取った。

 潟Iーベンは手放したがっていたウェブキャッシング・ドットコムを8億5,000万円もの超高値で売却でき、ライブドアは自分の金で自社株を買ったり売ったりして売上高や利益の水増しができ株価も暴騰させられた。これが世間的にはライブドア錬金術としてライブドアのみが悪者とされた経済事件の内訳。

 その翌年の、04年1月23日。梁山泊グループの1社であるビタミン愛が、翼システムから潟Iーベン株式を買い取り、29.4%を保有する筆頭株主になった。

M&Aという名のゴミ法人バルクセール

 潟Iーベンの筆頭株主となったビタミン愛は、潟Iーベン社長の佐藤克に命じ、それからの2年あまりで16社のM&Aを繰り返した。M&Aによって株価は刺激されるものの、その実態は梁山泊グループが設立した、梁山泊グループ内の「一部署」程度の会社法人を価値あるように装って潟Iーベンに買い取らせ、よって潟Iーベンの資本金を食い潰すという「会社喰い」だった。

 ちなみに宇宙旅行を夢見るIT投資家、榎本大輔・元ライブドア取締役も梁山泊グループと同時期に潟Iーベンに投資し、潟Iーベン最高戦略顧問に就任し、M&Aにも絡んでいった。

 潟IーベンのM&A手法は、榎本氏がいたからか最初にウェブキャッシングのM&Aによってライブドア流の錬金術を学んだからか知らないが、ほぼライブドアのM&A手法を模倣していた。つまり、株式交換である。

 潟Iーベンは、株式交換による企業買収を繰り返したが、それは企業成長とは程遠い、「IT系M&A」の名を借りた梁山泊グループ所有法人(ゴミ)のバルクセールであった。潟Iーベンが「何でも高価買取」するものだから梁山泊グループは、関係する会社をほとんど潟Iーベンに売りつけた。

 経常赤字2億円のパッケージソフト卸会社を4億近くで買収させ、1億しかない広告代理店肩書きの法人を、ライブドアの監査も担当していた元港陽監査法人所属の公認会計士に8億円の資産査定書をつくらせ8億3,000万円で買収させ、これは当然事件化し、大阪のコインパーキング場運営会社を17億で買収させた上にその元経営者に数億円を融資し貸し倒れとなり、またコインパーキング場運営会社も自己破産するなど、M&Aの名を借りたていのいいタカリであった。

 買収を繰り返すメリットは、M&Aによる見せかけの企業成長によって株価を押し上げる事で、仕手を仕掛けたものがいつでも株式を売却できる状態にしておく、というものもあったそうだ。(仕入れより安く売っては当然仕手が成り立たない)

仕手・インサイダーがらみ特集 潟Aドバックス(東証マザーズ・株価コード 4749)の脅迫〜拉致監禁暴行〜インサイダーまでに関わる、NSR細川徳生グループの会社法錬金術|敬天ブログ(株式会社アドバックス(Advax Corp.東証マザーズ上場・株価コード:4749)の脅迫〜インサイダーまで)|敬天新聞社トップページ敬天ブログ