浜井卓男(66)静岡県議会議長 保育園乗っ取り 裏切りと深謀遠慮を巡らし手にした銭はウン千万円也 《1》

2010/03/11

 政治家が関与する犯罪といえば、違法献金や贈収賄(政治とカネ問題)といったのが定番だ。

 古くは、友部達夫元参議院議員が犯した詐欺事件(オレンジ共済組合事件)のように、巷に溢れる詐欺師も舌を巻く生粋の悪人もいる。さて、静岡県議会議長である浜井卓男が犯したとされる『保育園乗っ取り』だが、政治家定番の犯罪と一般的経済事犯の中間に位置するものと思われる。

 尤も、銭をせしめるのが目的といった事からすれば、泥棒や詐欺師に近いともいえる。議会議長にして静岡県議6期目の重鎮である浜井卓男が、今更、票集めの選挙対策や議員活動資金を得るが為に、その類の資金を集めたいとは考えていないはずだ。頭にあるのは私腹を肥やす事のみと見るのが妥当だ。

 当然、その為に今の地位を最大限利用しているといえる。本件は、静岡県行政から運営不備を指摘され困窮状態にあった、岡崎保育園を運営する社会福祉法人「松渓会」の理事長が、浜井卓男の守銭奴の本質を見抜けぬまま、信頼できる政治家であると信じ相談を持ち掛けたことが始まりである。

 善人には感じないことでも、銭に卑しい人間はある種の匂いを瞬時に感じとるという。浜井卓男は、相談を受けた時点で銭の匂いを嗅ぎ付けたと思われる。所謂、鼻が利くという詐欺師特有の能力だが、銭儲けの種が転がり込んでくる幸運が、浜井卓男に舞い込んだのである。

 それもやはり、県議という看板が恰も誘蛾灯のように儲け話を誘い込むかに、大いに役立ったことに他ならない。当時、相談を持ち掛けた理事長は、県から指摘を受けていた会計上の不備と併せ、静岡県警に通報(恣意的なチクリとの噂あり)されたという使途不明金問題で揺れていた。

 独立した組織とはいえ、公益法人が金銭に懸かる疑義を向けられることは由々しき問題である。問題が指摘されたならば、進退を含めた運営責任上の判断が求められるのは当然のことである。

 しかし、何より心を配らなければならないのが、渦中の岡崎保育園の園児と保護者であり、正常運営がままならない状態が続き、最悪には閉鎖ともなれば、その影響は計り知れない。そういった意味で、県行政にも顔が利くであろう浜井卓男に相談を持ち掛けた判断は、的確であったといえる。

 結果、理事長は辞職し、平成21年2月21日、浜井卓男が社会福祉法人「松渓会」の新理事長に就任したのである。辞任した理事長は「これで岡崎保育園は救われる」と、安堵したに違いない。しかし・・・

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