九州電力が大分市発注PFI事業で又も黒い噂 D

(暴力団との親交疑惑が絶えないなか、今度の相手は前田建設九州支店)

2009/09/14

 九州電力の技術最高顧問の地位のまま、特定建設業者「冨士ピー・エス」(大証第二部)の取締役となった田中征夫。半公的企業である九州電力から、大株主として多大な影響力をもつ民間上場企業に役員就任。この形態は正しく官の天下りに等しい。九州全域での電力供給を独占し儲けた銭で、民間企業の株式を買い漁る。そこに、でかい面して乗り込んでいく。表面上は、冨士ピー・エスが請う形であろうが、大株主様である九州電力の押入りとみるのが妥当だ。

 九州電力は、既に自前で40社以上の企業を傘下にしているが、あり余る資金を注ぎ込むことで更なる九電グループの巨大化を目指しているようだ。尤も、九州電力に擦寄ることで仕事にあり付こうとする企業があっての相互関係だというなら、どっちもどっちである。さて、今回の大分市発注PFI事業の構成員企業「前田建設工業九州支店」も、九州電力に情けない程に阿るゼネコンの一つである。ただし、前田建設工業には是が非でも九州電力とともに、同PFI事業を遂行せねばならない事情があった。

 前田建設工業にとっては、電力会社との関係修復を図る禊ぎの事業であり、先々九州電力から発生する『原発利権』に再度食い込むための布石となる事業だからである。嘗て、前田建設工業は東京電力福島第二原発の関連事業(土砂排出)を受注した際、その後に下請けで使った水谷建設の脱税、福島県知事の汚職発覚と、世間に醜聞を晒したことがある。何より、発注元である東京電力をも東京地検特捜部の捜査対象に巻き込んだことで、前田建設工業は受注者としての信用を完全に失った過去がある。

 悪事は公平に裁かれて当然だが、受注企業の脇の甘さから様々な醜聞事件が発覚したことに、当時の東京電力の怒りは相当なものだったと推測される。更には、電力会社による関連事業、特に原発事業に深く関与する、白川司郎なる怪人物の存在が判明するなど、半公的企業である電力会社の不透明さが浮き彫りとなる結果を招くこととなった。究極の迷惑施設といわれる原発に絡み、有象無象の輩が利権の配分をしていたことを、図らずも前田建設工業は大々的に晒してしまったのである。

 これにより、電力各社が推し進める原発関連事業への市民の理解は、得られ難くなったことは確かである。東京電力及び他社電力会社、その周辺にへばり付く利権屋やゼネコンから恨みをかった前田建設工業は、その禊ぎの場を、東京電力以上に親交が深かった九州電力に求めた。それこそが大分市発注PFI事業なのである。九州電力にしてみれば、どんな要求も飲み込んでくれるゼネコンを手に入れたに等しい。

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