社主の独り言(中辛)

(敬天新聞11月号)

▼民主党が思ったより堂々と政権与党で頑張っている。外交問題などは直ぐに豹変するのかと思っていたら一応自分達の意見を言っている。考えてみたら柵や腐れ縁がないから真っ当な意見が言えるのかも知れない。自民党の場合、敗戦からの繋がりがあり、言いたい事を言えないまま接待や賄賂、土産が常習化してたろうし、それが慣習となり踏襲された外交が当たり前になっていたり何てこともあろう。
 日本の政治家が外国に行ったら、接待漬けにされる話はよく聞く。金丸信が脱税で家宅捜索された時、北朝鮮の金塊がゴッソリ出てきたという話は余りに有名。ODAを持って行っちゃキックバックを貰うような政治家から決別して清潔な志の政治家に任せてみるのもいい。寄せ集めのような党に見えた民主党が一致団結して政治主導に頑張っている。恐らく頭のよさ、政策のプロという意味では官僚には勝てないだろう。だがそれに驕り昂ぶって国民を騙し続けてきた事に国民はレッドカードを出し、実態を暴く役目を民主党に託した訳だから、相当、真剣に取り組まないと自民党の再生は難しい。
 ひょっとすると突然北方領土返還なんていうウルトラCが出てきたり、拉致被害者が帰ってくるという事もあるかも知れない。民主党の一番の弱点と言われた外交や安保問題で、国民からの及第点を取るような事があったら、完全に自民党は分解する。民主対自民ではなく小沢に付いていけない民主党員が離れて、それらが軸になり四分五裂した自民党が喰われていくというシナリオさえある。あながち奇発想とも言い切れない。自民党時代の日本と必ずしも関係がよくなかったロシア、中国、韓国の近隣諸国が、この時とばかり友好的手段に打って出る可能性はある。その時の切り札こそが長い間奪い取って来た土地や財産、拉致した人々である。不思議なもので長い間奪われていた物(者)が帰ってくる事になると、それが長ければ長い程、罪は重い筈なのに、恨みどころか有難いと思う心が芽生え、下手すりゃ感謝の気持ちさえ起きて来る。
 賠償さえ貰わなけりゃいけない位なのに現実には相当額の返還料を払う事になろうが、それでも国民は当たり前ではなく良かったと思う人が九割を超えよう。そうなれば益々自民党の出番はなくなる。国民が一番不満に思っていた予算の無駄の洗い出しを民主党が始めた事に自民党から全く反論の声が上がらない。恐らくスネに傷のある議員ばかりなのだろう。
 自民党時代の大臣は、何をしているのか全く分らなかったが、民主党になって政治がよく見えるようになった。小沢一郎の独裁を恐れる人がいるが、発展途上の若い時と違って、残りの人生を知る齢となって、今更、金の亡者になる必要もなかろうし、巧なり名を遂げた人は大局が見れるものである。恐らく正義と信じる信念を貫き通して政治生命を全うするのではないか。これだけ政治をオープンにし、国民に予算や事業を説明したら、当分の間、国民の民主党支持は続くだろう。
 真性保守も攻めがブレたり、標的がボケたりと錯覚する可能性さえ出てくる。政治は生活に直結するから三者三様の違いはあろうが、生き方の中での優先順位、現在の立ち位置、基本は日本人である事を忘れず、原理原則に正直に生きて行けば間違いやブレは起こらない、という事である。

▼石原慎太郎のお陰で東京都のオリンピック候補地が落選した、と私は思っている。政治家としてリーダーとして、他人が成し得ない事を強引にやり遂げる時の力強さは非凡なものを感じるが、世間に同情を仰いだり、世界にアピールする時の適格者ではない。本音を言い過ぎるし、愛想がないし、謙虚さが足りない。プレゼンテーションの前日や当日にカメラに向って「うるさい」とか「あっちいけ」とか怒鳴っているのが全世界に流されれば「独裁的」とか「野蛮」に映ったろうし、とても立候補地責任者には見えなかったろう。弟裕次郎がファンを大事にした行為とは掛け離れた印象がよく目に付く。勿論、東京オリンピック誘致が成功すれば石原都知事のお陰で誘致に成功したと書く心算だった。その位、石原都知事の独り相撲のように見えた誘致運動だった。私は勿論、東京オリンピック賛成派だったが、誘致発表が行われる二、三週間前から急に誘致運動に力を入れたのか、四十五年前の東京オリンピック誘致秘話を見て、戦後二十年足らずの日本で何故オリンピックが開催できたのかと、その日系社長の支援に拍手を送ると共に感動し、オリンピックは発展途上国の平和友好発展への起爆剤になる事が望ましい、と感じたものだった。
 そういう意味では南米初というブラジルに密かに応援もしていたのだ。それにブラジルは日本と関係も深く日系人は大変お世話になっている。四十五年前の東京オリンピック誘致成功も南米の二十票が日本に入ったからだと言っていた。今こそ、大感謝してブラジルに恩返しすべき時ではないか。それこそ日系百年を迎えたブラジルに住む日本人も我が祖国を誇りに思い、日本人で良かったと心から思うだろう。
 そんな太っ腹を見せなきゃいけない時、石原慎太郎は負け惜しみなのか、政治的な動きがあったとか賄賂が動いたと言わんばかりのメソメソ発言。負けは負け。潔さこそが日本人の誇りなのだ。まして日本人に友好的なブラジルだよ。アメリカは大統領まで出席して負けたじゃないか、それでも悪びれない。
 今回は日本としての一致団結が足りなかった。国体のように日本中を一周して二巡目になっての参加なら盛り上がったろうが、まだまだやった事のない国が沢山ある。勿論、色んな理由で主催出来ないような国が大多数であろうが、豊かだからといって同じ国が何回も主催するより、出来るだけ初めての国にやらしてあげた方がいい。オリンピックはスポーツだけでなく色んな繁栄をもたらす。
 特に今回のオリンピックは国内が政権交代に埋没してしまって興味が薄れ、盛り上がりが乏しかった事が敗因だった。オリンピックは祭りだから、高揚や啓発には最高の運動になるし、価値観を一つにする最大のチャンスであるから、価値観が多様化し、若者と高齢者の間に文化の違いが出始めた昨今、石原氏の和を求めるオリンピック誘致は目的としては素晴しかった。ただ独裁者はテレくさいのか説明をしない。しかも毒舌を言う。媚を売らない。国民への共感を呼ぶ為には、力強いワンフレーズや時には愛想のいい役者になる事も必要なのである。石原都知事もそろそろ賞味期限かな。
▼今更、芸能界麻薬汚染に驚きはしないが、高相という腐れ男も押尾というニヤケ男も、男の甲斐性の無さに腹が立つ。先ず高相だが、自分の女房が自分の不徳で世間に袋叩きにされたのに、庇おう、守ろう、という姿勢が全く無い。マスコミが代表して言う、真実を語って欲しい、真実が知りたい、なんていう言葉は建前論であって面白おかしく餌食にされてるだけで、このクソ男に誰も興味を持っていない。マスコミが言ってる真実とは、酒井法子が何回覚醒剤をやったのか、何年やっていたのか、常習者だったのかと言うのを念を押したがっているだけで、「やっていた」という事実はもう真実として世間に認知されている。
 覚醒剤吸引の真実の有無という美名の下に酒井法子は代々に亘る家族の出自まで暴露されズタズタである。清純派の有名女優だっただけに裏切りの代償は大きかったかも知れないが、それなら芸能界から追放すればいいだけの話で丸裸にし過ぎではないか。そんな女房を誰よりも優しく庇わなければいけない立場の本人が、自己保身なのか今更世間に媚を売っているのか「弁護士に言われた」とか「これが真実です」とか、今更どうでもいい話を喋るな。全部自分が被ればいいんだよ。彼女が認めてることに合わせればいいんだよ。吸引している事を彼女が認めているなら最大限庇って、全て自分の責任です、で通すんだよ。どうせ執行猶予が付く判決で何を狼狽えてるんだよ。バカ者。彼女はもう十年の懲役に匹敵する苦痛を味わったろう。
 せめてもの罪滅ぼしに二、三年刑務所に行ってこい。そうすれば少しは同情も買おう。世間で生きても一年。刑務所で生きても一年。例え判決後に別れる結果に成ろうとも俺なら迷わずそうするね。それが夫婦ってもんだろう。家族も守れないような男は家族を持つ資格がないってことだよ。人は誰だって間違いを犯す。その罪に大小はあっても、それでも俺なら迷わず家族を守る。村八分であろうと四面楚歌であろうと一緒に痛みや苦しみを背負うのが大黒柱の宿命である。家族を持つとはそれ程重い筈の物であるのに、今では風船程の軽い仕来りになってしまった。
 もう一人の押尾事件。押尾も卑怯者である。一晩の遊び相手だったのか常連(恋人)だったのか分らぬが、了解の下に楽しんでいた相手が突然藻掻き苦しみ出したのに、慌て放置し逃げた結果、女性が死亡した訳だから、その責任は薬使用より余程重い筈。しかも仲間や部下を呼び出して明らかに隠蔽工作や事後打ち合わせをしている。女性の携帯を隠し捨てた事一つとっても明白。それなのに何故、警察はその日のうちに事件性無しと発表し、一切の調べをしなかったのか。少なくとも駆けつけた関係者の事情聴取は勿論、携帯を隠した者は逮捕すべきだったろう。これは轢き逃げ犯と同じだ、と言いたいが轢き逃げの場合、知らない人を轢いて逃げる訳だから違うと言われそうだから、自分が交通事故を起し同乗させていた女性が大怪我をしたのでビックリして放置して逃げたら、女性が死んでしまった、という話にしよう。これでも多分運転手は何故直ぐ病院に運ばなかったか、と罪を問われるだろう。それより明らかにもっと悪質。
 違法薬を飲んでいなかったら救急車を呼んだ可能性はあろう。押尾が所属していたエイベックスという会社は一部上場でありながら、コンプライアンスが機能を果たしていない。表向きは元検事総長だの警察OBだのと固めているが一方で暴力団関係者の出入りは激しいと言われ、実態は上場企業の体をなしていない。このエイベックスは社長自ら薬疑惑を噂され、所属タレントに何人も逮捕者を出している。一部の不良警察官に金をばら撒いているという、噂さえある。今回も酒井法子事件との対象で余りに捜査に片手落ちがあり、情報リークに差があった。有名税・知名度で酒井法子と押尾には雲泥の差があり、注目度では仕方が無いにしても罪深さでは押尾事件の方が悪質なのは明らか。
 森元総理、武部勤、古賀誠、平沢勝栄、荒井昭、安藤英雄、山本英俊、熊取谷稔、野口美佳、塚本能交、こういう名前がインターネット上で飛び交っているが、勿論、直接的に事件に関係はない。事件後処理に口を出した、圧力を掛けたという疑惑の噂である。
 国民は警察の正義を信じている。事実大多数の警察は国の治安、犯罪防止、安全、安心を守る最前線で法の下の平等に正義の行動をしている。噂に出ている人物には何がしかの縁があったということか。国策は国民の正義にこそ使われるべきで、一部の私的利益に使われるべきではない。死んだ女性側の過去や生活に多少の瑕疵があったとしても、押尾と死んだ女性との間に平等性が感じられない。押尾を庇うというより、この事件を掘り下げたくない、広げたくない、というのが捜査に垣間見えるのだ。普通こういう事件が起これば芋蔓式に関連を追いかける、というイメージなのだが、今回は最初から違ったのだ。押尾にはこの時点で妻がいたのだが、浮気にもルールがあろう。人それぞれに基準は違おうが、相手を死亡させた時点でアウト。逃げようとしたから会社を巻き込み、会社が慌てて名前が出た者達まで巻き込んでしまった。一人で男らしく決断すれば、世間に疑惑を招かなかった筈だ。
 高相も押尾も共通点があって、全身刺青をしているらしい。(最近はやたらと安っぽい刺青をした男女が多い。しかもそれを見せびらかして歩いているバカ者が多い)男らしさを売り物にしたいのなら外見ではなく中身こそ必要である。私の知り合いにも刺青を入れてる者は沢山いるけど、皆、彫り物に負けない男を売ってる者達ばかりである。(しかも普段は見えないように夏でも長袖でわざわざ隠している)こんな中途半端を持て囃すから世の中がおかしくなるのだ。日本にもそろそろ徴兵制が必要なのではないか。

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