社主の独り言(中辛)

(敬天新聞5月号)

▼国策なのか愚作なのか我々素人には理解出来ない事件終結が時にある。小沢一郎秘書逮捕もそうであり、キャノンの御手洗会長や鹿島の関係者が逮捕されなかった事も不思議である。
 敢えてそれが世の為と言うのであれば、時に法を超えた判断もいいだろうが、法の下の平等から言えば乱用は困る。その点、障害者郵便制度を悪用したウイルコ他を徹底的に追及している大阪地検には拍手喝采を送りたい。
 ただ郵便法違反と軽いのが気になるが、徹底解明する事で詐欺罪や収賄罪に問われる者も出てくるだろうし、何より擬似犯の壊滅に繋がる。それに主犯企業のウイルコの社長であった若林和芳は、社会的、道義的責任を感じていなかったのか、我々の退任勧告も無視して社長から会長に成り上がり、院政を敷こうとしていた。今回は本人逮捕でやっと会長職も辞任した。
 創業者という思い上がりもあっただろうが、上場した時点で責任感と立場が大幅に変る事を認識しなければならないが、それを理解出来ない創業者は多い。
 ウイルコに関して言えば、事件後「外部有識者による調査委員会」を立ち上げたのだが、依頼者が創業者であれば真の改革を求めれば自分の追放に繋がる訳だから、結局、「騒ぎを鎮める策」を求める委員会になってしまう訳で、本当の委員会の価値が発揮できるのは若林一族を追い出してから、という事になる。
 だが辞めた、と言っても依然として大株主である訳だから、これからも策を弄し、口を出すだろう。株価が一円になれば本人も反省し、それ以上に社員も危機感を持つ事だろう。こういう反省のない企業は潰すべきだ。
 漢検の大久保一族も同じである。こいつらも今から三年前、秦右時という詐欺師に投資して大儲けした事があり、金を返せと追求した事があった。しかし何度質問しても口を閉じたままで知らんぷりだった。
 何の切欠で今頃になって火を吹いたのか知らないが、金に任せて驕りたかぶっていたのだろう。詐欺師の片棒を担いだのは間違いない。全財産を没収すべきだ。
▼長崎県の高校が甲子園で初優勝をした、と聴いて感動した。ふる里や母校の活躍は幾つになっても嬉しいものである。九州では全てにおいて福岡県が断トツに群を抜いてるところがある。芸能界を見ればよく分るのだが、超一流が目白押しである。
 続いて熊本、鹿児島というのが活躍の順である。長崎県の中では五島列島出身者の活躍が多いと聴いた事がある。東京に居て感じるのは島出身者の団結力である。小さな島程、助け合い運動や家族的な契りが強いのだろう。やはり県民性はある。その文化・歴史・伝統を守りながら、スポーツや教育水準でふる里がトップレベルに上がる事は嬉しいものである。というより、日本の場合、もう全国的に隅々まで豊かさが行き届いた、という事なのだろう。
 何かの世界の調査で日本が一番良い国、という評価が出ていたが、何か分る気がするね。ついこないだまで、麻生さんはダメ、自民党はダメ、と言っていたけど定額給付金を貰ったせいか、急に人気が出てきたねー。
 定額給付金も一万二〇〇〇円貰ったって、何の効果があるんだーって言ってたけど、実際書類が送られてくると、しっかり書いて送ったし、ちゃんと届くかなー、途中で誰かに盗まれて役所に書類が届かなかったらどうしよう、なんて考えて、いざ実行されると嬉しいもんである。
 高速道路の千円といい、目先の景気対策に釣られて自民党政治はやはりいいもんである。ということは三権分立がしっかり機能していて、司法が政治家や官僚の不正に毅然と対応し、無駄遣いや不必要な外郭団体の解体、天下りなどを廃止できれば自民党政治でOKと国民は思っている、ということですな。
 それにしても福岡は強い。信長も秀吉も家康も、天下を統一したのは愛知近辺だけど、それを倒したのは長州と薩摩で、最後まで意地を見せたのは会津武士だ。以来国内は平定したものの、世界と戦い、その犠牲となったのが、沖縄、広島、長崎だった。その長崎の少年達が日本一になったのだ。今流の言葉で言えば超嬉しい。その後の快進撃がまた凄い。瓦礫の底から這い上がり、食う物も食わず国の為に家族の為に働いて働いて、いつの間にやら経済大国。負けた事を他人のせいにして恨み続ける何処かの国とは違う。ひたすら前向きなのだ。やられた本人さえ忘れてしまう健忘症の国民ではあるが、その根底には水に流すという潔さがある。人にも国にも一長一短はある。今はこの敵に塩を送る心、重い悲しみを前向きに明るく解釈する心、水に流す潔い心、発展途上国への支援をする優しい愛の心、等が評価されるようになったのだろう。その結果、今では世界一素晴らしい国との評価を受けるようになった。
 日本という国は国民が優秀なのか、伝統や歴史が貴重なのか、その風土や文化を含めた全てが素晴らしいのか分らないが、とにかく世界の評価は高い。謹んで理解しなければならない。
▼麻生総理の平凡な奇策が功を奏したのか、自民党の評価が上がって来たのだ。耐えるべきは耐え、堪えるべきは堪える事を総理自ら国民に教えたのである。
 蹴られ、殴られ、足を引っ張られ、それでも耐えた麻生総理、貴方は偉い。それに比べたら、安倍さんも福田さんもだらしない。同じ坊ちゃん出身でもオリンピックに出た位だから、やはり、いざと言う時の根性が違うのだ。小沢さんの敵失という声もあるが、勝負にはエラーやオンゴールもある訳だから、我慢や耐え時は勝敗の大きな要素である。
 特に日本国民の熱し易く冷め易い、直ぐ忘れる、風に乗る、という国民性は潮目が変る時期を見る事が大事だから、時間は重要な要素である。  結果的には実力のなさを証明し、世界中に恥をかいただけの北朝鮮のミサイル発射だったが、本当は日本は打ち落とすべきだった。あれを打ち落としていれば、自民党政権は磐石なものになっていたろう。あれは北朝鮮が麻生政権延命に演出してくれた最高のパフォーマンスだった。
 国民の七割の本音は日本がミサイルを迎撃する事を望んでいたのではないか。今思えば政府は迎撃ミサイルを発射する、と発表はしていたが本心は北朝鮮への抑止力を求めてのポーズだけで最初から撃つ気などなかったのではないか。
 万が一、当らなかった時の恥かくリスクと、北朝鮮を付け上がらせる口実に怯えたのかも知れない。麻生さんも腕に覚えのあるクレーで撃ち落せるのなら挑戦したのかも知れないが、買って飾ってあるばかりで、使った事のないミサイルでは実際にはどこに飛んでいくのか経験がないわけだから、決断がつかないのは理解できる。そうかといって、こそっと練習しようとしたら、一発何百億もするから無駄遣いはするな、と言われるし。
 で、結局、北朝鮮が戦争をするとしたら「兄弟喧嘩なんだから他国は口出しするな」と屁理屈をつけられる韓国にしか仕掛けないだろう、と読み切って、放っておけと判断したのだろうか。まぁその辺の心理は当らずとも遠からず。独裁者の最期を何人も見てきた金正日が自ら火の中に入って行く事はあるまい。  あっち向いてひょっとこの口元は生まれつきだろうから仕方ないけど、マンガ例え話はやめて、せめて日本昔話にしてよ。まあ、待てば海路の日和あり、かな。

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