2009/06/02
人は、少なからず見た目で他人を判断する。
街中で目にすることの多い宅配業者や警備員、工事関係者等を、猜疑心をもって注視する人は先ずいない。その理由が、彼らがまとう制服や作業着を見て、勝手に安心感を持つからである。それに加え、所属企業を示す身分証の類を提示若しくは携帯していれば尚更である。
さて、日本コンベヤ子会社「エヌエイチパーキングシステムズ」(西尾佳純社長)の社員である暴行犯Aは、仕事で工事現場への出入りが激しかったようだ。因みに、暴行事件を犯す直前は、大手ゼネコン五洋建設が仕切る現場に出入りしていた模様だ。
当然、一般人がフラフラと現場に立ち入らないように、出入り口には警備が敷かれていた筈だ。危険が伴う現場で、関係者以外の人間が現場内で事故にでも巻き込まれたなら大問題である。更には、現場内に管理事務所や作業員休憩所等を設営していれば、盗難被害も想定しての警備となる。
ただし、工事現場での完璧な防犯などは土台無理な注文である。結局は、その現場に居ても違和感のない者なら、容易に出入りができると考えるのが妥当であろう。
そういう意味では、暴行犯Aが被害女性宅に残した、エヌエイチパーキングシステムズの作業制服一式、更には身分証明書や資格証明証の数々、そして、現場指揮者であるゼネコンから配布された入場証などは、悪意ある者にとっては貴重な犯罪アイテムであり、是が非でも入手したい物に違いない。
しかし、エヌエイチパーキングシステムズ及び暴行犯Aの弁護士は、これ等の物品の引取りを拒否したのである。